2020年の7月にFITBOXの廉価版であるFITBOX LITEが発売された。
FITBOXの定価は49,800円、廉価版は34,800円(いずれも税込み)という価格で15,000円もの価格差がある。
これ以降、値段の高い方のFITBOXを通常版、廉価版のFITBOXを廉価版と呼ぶことにする。
我が家はFITBOXが発売された当初、通常版を買ったのである。
マグネット式にも関わらず、スムーズで引っかかりのない漕ぎ心地、身長が150cmに達しない人でも無理のない乗車姿勢がとれること、静音性能など非常に熟成度の高いスピンバイク(エアロバイクの一種)であると思ったのである。
ちなみにFITBOX自体のレビューはこちらなので参考にしていただきたい。
- 結論からいうとどちらが買いか?
- 通常版と廉価版とどこが違うのか
- 結論である
- FITBOXについてよくある質問
- Q1 : ゆったりこぐといった使用は可能でしょうか?
- Q2 : 最小の負荷1と最大負荷8の時でどれくらいの負荷量になりますか?
- Q3 : 足の筋肉トレーニングになりますか?
- Q4 : 激しくこぐとグラグラしませんか?
- Q5 : 前屈姿勢をとらなくてもいいのでしょうか?
- Q6 : 負荷方式がマグネットなので、負荷にムラがでないでしょうか?
- Q7 : 負荷を高くするとエラー音が鳴ったりとかしてうるさくありませんか?
- Q8 : 実際に使える身長の範囲はどこからどこまでぐらいでしょうか?
- Q9 : 90分使用した後でどれだけ休ませればまた使えるのでしょうか?
- Q10 : makuakeに同じようなデザインのエアロバイクがあったのですが関係ありますか?
- Q11 : お尻が痛くなるということでサドルを変えてみたいのですがお勧めはありますか?
- 合わせて読みたい [関連記事]
結論からいうとどちらが買いか?
ズバリ廉価版を買うことがオススメである!
通常版と廉価版とどこが違うのか
廉価版は通常版と比べて省かれた箇所が2つある。またサイズもじゃっかんLITEの方が小さい。省かれた箇所は以下の2つだ。
- ペダルが樹脂タイプだけしか付属しない
- メーターがない
1.ペダルが樹脂タイプだけしか付属しない
通常版には2種類のペダルが付属する。
しかし廉価版では樹脂タイプのペダルしか付属しない。
このFITBOXはエアロバイクの種類の中でもスピンバイクに分類されるものだ。
スピンバイクは回転するホイールに重量がある。
ホイールとは自転車でいうところの、後ろのタイヤに相当する部分だ。
この後ろのタイヤの重量が非常に重たいのがスピンバイクで、この重さによって基本的な負荷が生まれる仕組みである。
さて、普通のエアロバイクはペダルを止めてもホイール部分は回転を続けるのが普通である。
ママチャリを考えてもらうとわかりやすい。ママチャリはひとたび走り出せば、ペダルを止めてもそのままタイヤは回り続ける。
これに対して、スピンバイクはタイヤに相当するホイールが空回りしない構造である。
ペダルを止めればホイールもぎゅっと止まるのである。幼児用の自転車などと同じである。
ところが、スピンバイクのホイールは重量が大きいので、いきなりは止まらない。もし、足をペダルから離すとペダルはホイールの回転が止まるまで動き続けるのだ。
もし、運動中に足が滑ってペダルから外れると、ペダルに足をぶつけたり、ズボンの裾が巻き込まれるといった可能性があるわけだ。
といったわけで、ほとんどのスピンバイクは靴が滑りにくく、つま先を差し込むクリップ付きのスパイクタイプのペダルが採用されている。
無酸素運動のようなキツイ運動をする人にはスパイクタイプのペダルが望ましい。体の限界まで追い込むようなトレーニングだと、超高速に回すため足が外れやすくなるし、気を失いそうなほどの運動強度だと、ペダルに足をきちんと載せるということにまで注意が回らなくなる。
ちなみに私も最初タバタトレーニングといった超高強度のトレーニングをスピンバイクでやったときは、終わった瞬間真横にぶっ倒れそうな感じであった。
こんなトレーニングをするならスパイクタイプのペダルのほうが安全ではある。
しかし、このスパイクタイプのペダルだと、素足や靴下では足の裏が痛くて乗ることができない。という欠点がある。
一般的にエアロバイクを買う人の多くはダイエットや運動不足の解消につかうことが多いのでこのようなスパイクタイプのペダルだと、わざわざ室内用の靴を履かないといけないので面倒なのである。
そこで、廉価版では素足でも乗れる樹脂製のフラットなペダルだけが付属している。
この樹脂製のペダルであるが、マジックテープで足を巻いてある程度固定できるようになっているので、足が外れる危険性はほとんどない。
また、もし足が外れたとしてもペダル自体が尖った部分のない樹脂なので、回転を続けるペダルが足に当たったとしても、巻き込まれたりといった問題はおこらない。というわけで、樹脂製のペダルだけでほとんど問題はない。
もし、高強度のトレーニングをするのであれば、社外品のスパイクタイプのペダルを別途購入すればよいだろう。
ペダルの軸の太さは2タイプある。この太さが違うタイプだと購入しても取り付けられないので要注意。FITBOXは9/16インチタイプである。
このペダルが、長さが調整できる固定用のベルトと、つま先を入れるトゥクリップがあり、ペダルの表面の凹凸がある中では最も安価だと思う。ペダルトゥクリップとベルトを別々に買えばもうほんの少し安くすることもできるが、面倒なのでこれがベストバイだと思う。
2.メーターがない
通常版は心拍数が測れるメータが付いていることがセールスポイントのひとつとして挙げられる。
3万円以上のスピンバイクやエアロバイクにはだいたい心拍数の読み取り機能がついていて、通常版もその例外ではない。
しかし、大体のスピンバイクやエアロバイクの心拍計は特定の位置を握り続ける必要がある。通常版もその例外ではない。
赤丸で囲っている部分を両手でしっかり握らないと、心拍数の計測ができない。
この部分を握っていると体が前傾姿勢となり、かなり体幹の力がないと疲れてしんどい。
大体の人にとっては椅子の上にまっすぐに座って、腕は太ももの上に載せるとか、ハンドルの横の手前部分を握ったりするほうが楽なはずである。といったわけで赤丸の心拍センサーを握り続ける姿勢を取り続けない限り心拍数が測れないので実用的とはいいにくい。
まあ、ほとんどのエアロバイクがそのようなつくりなので、FITBOXに限った話ではないのであるが。
メーターで読み取れる内容は心拍数だけではなく、走行距離、走行速度、走行時間、消費カロリーがわかる。
心拍数は最も重要で、運動の客観的な強度を測ることができるため、科学的なトレーニングには必須である。
距離と時間は運動量の目標として使える。
マラソンの場合であれば、毎日5km走ろうとか、〇〇公園まで行って公園を3周して帰ってくるといったように、自分で決めた距離を走るのは普通である。
あとは時間、1日30分走ろうといった時間で決めるノルマである。
ダイエットやマラソンのための基本的な走力をつけるためであれば、距離をノルマとして課すよりも、時間を基準とするほうが有用である。
ゆっくりでいいので時間を長くやったほうがいいからだ。
というわけで、心拍数、走行距離、走行時間はメータの中で重要な項目である。
それ以外の何も意味はないといってよい。速度はペダルの負荷が変えられるので、例えば時速20kmと表示されていても、運動強度を指し示す指標にはならない。消費カロリーも運動強度と連動していないので基本的にはでたらめである。これもFITBOXに限ったことではなく、他のエアロバイクにもいえることである。
さて、メータがないので心拍数、走行距離、走行時間といった重要な数値がわからないのだが、そこは走行距離を除いては社外品で簡単におぎなうことができる。
このEZONの心拍計付スポーツウォッチは3,000円を切る超絶ハイコストパフォーマンスでお勧めである。この金額帯でちゃんとしたスポーツ心拍計はこの他にちょっと見当たらない。
胸につけるベルトに心拍センサーがついている。こんな感じで使う。
胸にベルトを巻くということで、ちょっと慣れないとうっとうしいが、腕の位置が自由になるのでこの方が楽なのである。Garminといった高級なスポーツ心拍計もこの方式を採用している。
私もこのスポーツウォッチを買ってみた。
6万円ぐらいのGarminのFenix 5Jを同時に装着して表示心拍数を比べてみたのだが、ほとんどズレがない(表示タイミングが違うので、そのズレはあるがこれは狂いではない)。非常に優秀である。
Garminと精度を比較検証してみた動画がこれである。
ちなみに14秒~19秒の間はEZONが無反応になっているが、それは2メートル程離れてみた結果。実際はこんなことはないのでご安心を。
EZONにはストップウォッチもあるし、時間は時計でも充分だ。
私の場合はアニメを3本見るというように時間だけ決めてトレーニングしているから、時間をはかる必要もそもそもない。
距離を測りたい場合はこれでは残念ながら無理だが、基本的には不要だと思う。私も毎日FITBOXを使っているが距離を意識したことは一回もない。
メーターの代わりにこのEZONのスポーツウォッチで充分である。
サイズの違い
廉価版の方が少し小さい。
特筆すべき箇所としては長さが20cm短くなっている。この差は大きいと思う。
場所を取らないという意味では廉価版の方がいいだろう。
もし、ガチで強烈にペダルをこぎたいということであれば、通常版のほうが安定していいかもしれない。
結論である
廉価版のFITBOXにプラスしてEZONのスポーツウォッチを買うのが、通常版を買うよりも使いやすいというのが結論だ。
スポーツウォッチを買い足しても、それでも通常版より12,000円ぐらい安いわけである。コンパクトだし廉価版を買うのが私としてはお勧めである。
あと下記もエアロバイク(スピンバイク)について参考になるかも知れない。
エアロバイクを購入するべきか?買うならどのエアロバイクを買えばいいのか- 早見チャートで選べるエアロバイク2021年版ベストバイ
Yes・Noで選んでいくと簡単に買うべきベスト・バイのエアロバイクはわかるチャートを作ってみた - エアロバイク(フィットネスバイク)の種類の詳細とお勧め機種
エアロバイクの形状による分類・分類別のお勧め機種 - 最強スピンバイク?FITBOX買ってしまったのでご紹介である
家庭用のエアロバイクとして完成度が高いという評判のFITBOXについての渾身のレビュー - FITBOXとFITBOX LITEのどちらを買うべきか?
通常版の49,800円と廉価版の34,800円のFITBOXの機能の違いについて徹底的に解説してみた - 固定・3本ローラー台・エアロバイク・スピンバイクの騒音・価格など比べてみる
室内で自転車トレーニングをするための機材のメリットデメリットを、全て試した私が比較してみた記事 - スピンバイクとエアロバイクの比較・どっちを買うべきか?
まあ、結論としてはスピンバイクを買えってことである - スピンバイクの比較方法・選び方
高級機と普及機の違い、負荷の方式についてちょっとマニアックに調べて書いてみた - FITBOXのポジション調整範囲について
身長・股下の長さによってFITBOXを快適に使えるかの詳しい調べ方を書いてみた - デスクの下に置く簡易エアロバイク?激安3,000円!Falconエクササイズバイクを買ってみた
すごく安い割には使えるのではないでしょうかという結論 - Amazonエアロバイク売れ筋ランキング
Amazonのサイトに直接飛びます。売れ筋ランキングは1時間おきに更新されているそうでなかなか興味深い
- エアロバイクのメーカー「アルインコ」の特徴
ラインナップの多彩さで他社を圧倒、コンピューターによるトレーニングプログラムが特徴 - エアロバイクのメーカー「ハイガー産業」の特徴
日本国内のスピンバイクの草分け的存在・コストパフォーマンスに優れたメーカー - エアロバイクのメーカー「大広」の特徴
室内トレーニング器具の専門メーカーならではライナップでコストパフォーマンスが高い - エアロバイクのメーカー「AINEXT」の特徴
メーカーとしては後発だが完成度が非常に高い機種を作っている
- スピンバイク(エアロバイク)の汗対策
1時間ぐらい乗るなら汗対策必須! - スピンバイクのお尻の痛みにはこれだ(女性版)
身長の小さい女性にはこれが効果があったのでおすすめしたいというわけ - EZONの心拍計付スポーツウォッチの精度をGarminと比べてみる
心拍計のついていないエアロバイクには絶対オススメ、めっちゃ安いし、最初から心拍計がついていてもオススメ
- 飽きっぽい私がやっている毎日楽しくエアロバイクに乗る方法
エアロバイクを買ってみたものの飽きてしまった?これがエアロバイクの最大の落とし穴。そうならない簡単な方法紹介 - エアロバイクの効果的・楽勝エクスサイズ
エアロバイクを使った健康づくりの方法 - タバタ式トレーニングの効用・方法、そして効率的にするための機材
たった5分で効果抜群?話題のタバタトレーニングにスピンバイクが最適であるという話
- エアロバイクのスピードメーターはいらない!スマホで超多機能メーターを実現する方法
エアロバイクについているスピードメーターは低機能なのでスマホを使ったらハッピーになれるという話 - バーチャル自転車アプリZWIFTをエアロバイクで楽しむ方法【2020年版】
文字通り(?)e-Sports 自宅で世界中の人とサイクリングできるバーチャル自転車アプリZWIFTをエアロバイクで楽しむ方法。他のサイトにはなかなかない情報なので是非! - エアロバイクに市販のスピードメータを取り付ける方法
自転車用のサイクルコンピュータ(速度や心拍数を計れる機械)を取り付けるレポート - エアロバイクをスマート化してトレーニング履歴を管理する方法
最初からインターネットにつながるエアロバイクの機種の紹介と、どんなエアロバイクでもインターネットにつなげる方法
FITBOXについてよくある質問
FITBOXについていろいろ質問をいただくことが多いので、今までにいただいた質問についてまとめましたので、参考にしてみてください。
コメント
LITEとの違いでもうひとつ追加情報として、若干本体のサイズが違います。
この点は記載された方が良いかと思います。
ありがとうございます!確かに重要なポイントですね!追記させていただきますm(_ _)m
大変貴重な情報の数々、誠に有難うございます!
とても興味深く読ませて頂きました。管理者様もイチ押しの「FIT BOX」の購入を検討しているのですが、私の身長の部分で「FIT BOX」か「FIT BOX LITE」かを迷っております。他の方のレビューを見ると「FIT BOX LITE」は、身長175cmを越えると膝が曲がってしまうとの記載を目にした為、サイズが少し大きい「FIT BOX」のほうが良いのかなーと迷っております。
ご多忙の中、大変恐縮ではございますが、アドバイス頂ければ幸いでございます。
今後の活動も楽しみに応援しております。引き続き何卒よろしくお願い致します!
・身長:180cm
・股下:86cm
・体重:73kg
・目的:ダイエット・筋力アップ
ご覧頂きありがとうございます。
そうですね、180cmとなるとFITBOXでも少し厳しいかもしれません。
FITBOXだと180cmの方だと、一番上まで上げても膝が少し曲がります。
ダイエット目的なら問題ないのですが、筋トレだと関節の可動域をできる限り取りたい気がします。
アメリカのAmazonでのレビューでの評価が高いYOSUDAがいいかもしれません。https://amzn.to/3gifooP
クーポン適用だと(いつまでかわかりませんが)実質24,000円で購入できるようです。
こんなレビューが有ります。
…私は、身長186センチ、体重92キロと、かなり大きい部類の人間ですが、全く不安無くトレーニングできます。
価格も、2ヶ月分のジム代だと思えば、手ごろだと思います
早速のアドバイス誠に有難うございます!
なるほどです。chari-nikkiさんのブログをきっかけに「FITBOX」に魅了されたので、とても悩ましいですね。
頂いたアドバイスを参考にさせて頂き、最終検討したいと思います。
大変ご親切に有難うございました。重ね重ね御礼申し上げます。