エアロバイクやスピンバイクはなかなか退屈なトレーニング器具なのだが、トレーニング履歴を後で見ることができれば、体力の向上がわかって励みになる。
例えば週に1回3分間の全力ダッシュを行って、何メートル走ることができたか?を記録していけば、徐々に距離が伸びていったりして、体力アップが可視化できる。
すべてのエアロバイクに最初からついているメーターを見て、手で記録してやる方法もあるが煩雑である。インターネットといったネットワークにエアロバイクを接続して自動的に記録してくれると楽である。この記事はその方法について述べている。
方法は2つある。
- 最初からインターネットに接続できる機種を買う
- エアロバイクに接続機器を取り付ける
この2つの方法について説明するのである。
家庭用のエアロバイクでトレーニング履歴を確認できる機種
家庭用のエアロバイクを確認したところ、トレーニング履歴をスマホなどで確認できる機能を持っている機種はほとんどない。
エアロバイクのほとんどが単体のトレーニング機材なのである。
私が確認した中では、「トレーニング履歴を確認でき」「10万円以下」「2020年11月現在時点」で入手可能なのはアルインコ社の2機種だけである。
※前まではコナミ社のTYPEeGGという機種もあったが残念ながら廃番となり手に入らなくなった。
Alinco プログラムバイク6119/Alinco プログラムバイク6319
アルインコ社は無線機といったIT機器を自社で開発しており、比較的安価な機種であってもペダルの重さのコンピューター制御機能を搭載している機種が多い。
その中でも私が確認したところ、プログラムバイク6119と、プログラムバイク6319にトレーニング履歴確認機能がある。

この2機種はAlinco社のアプリで過去の履歴を管理することができる。
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プログラムバイク6119 -
プログラムバイク6319
Alinco プログラムバイク6119
Alinco プログラムバイク6319
この2機種は非常に高機能なのだが、残念なことに連続使用が30分に制限されている。
トレーニング履歴を確認できる機種でのおすすめは?
私としては最低60分使用できる機種を推奨している。なぜかというと、こういう理由である。
- ダイエット目的
できる限り軽い負荷で長時間運動することが望ましい。 - トレーニング目的
体を作る基礎となるLSDと呼ばれるトレーニングではとにかく長時間連続して運動し続けることが重要となる。
というわけで、できる限り長時間使える機種がいいのである。その観点からはアルインコの2機種は候補から漏れる。コナミのTYPEeGGは連続使用時間の制限がないのが素晴らしいのだが、残念ながら現在手に入らない。
普通のエアロバイクをインターネットにつなぐ
現在市販されている家庭用エアロバイクには適当な機種がないことがわかった。
そこで、長時間の連続使用ができるエアロバイクをインターネットにつなぐ(今風に言うとIoT化とかスマート化・・・)ようにカスタマイズしてやるのが唯一の解決策となる。
実は私もこれをやっているのだが、それほど難しくはない。
エアロバイクのペダルのところに、センサーを取り付けてセンサーからスマホとかに信号を送ってやれば解決する。
この種のセンサーはロードバイクといったスポーツ自転車用の製品が売られているので、それを使えばいいわけである。
そうすれば、スポーツ自転車に乗っている人であれば、誰もが知っているStravaといったアプリでトレーニング履歴を確認できようになる。


Stravaといったアプリを使うと今までのトレーニングの一覧や、個別のトレーニングの詳細を確認することができる。
しかも無料である。恐るべし。
ではどうやって普通のエアロバイクをインターネットにつなげばいいのだろうか?
接続方法その1最小構成
こうすればどんなエアロバイクでもとりあえずインターネットにつなぐことができるようになる。

①ここにセンサーを2つ取り付ける
ペダルを回すクランクという部分にスピードセンサーとケイデンスセンサーを取り付ける。
スピードセンサーとは自転車の走行速度を測るセンサーで、ケイデンスセンサーとはペダルの回転数を測るセンサーである。
このセンサーは振動を感知して回転数を測ることができる。
上下動が1回あったら1回転したとわかるようなセンサーだ。
このセンサーからBluetoothで回転数の信号を②のサイクルコンピューターに送信するわけである。
ちなみに私が使っているセンサーはNEWOKE CooSpo ケイデンススピードセンサーというもので、設定により、スピードセンサーにするか、ケイデンスセンサーにするかを切り替えることができる。
中に入っているボタン電池を外したりつけたりするたび、表面のLEDの色が変わる。LEDが青になっている状態であればスピードセンサーのモードになっている。
ただし、両方の機能があるからといって、1台で両方の機能を果たすことはできないので、2台同じものを買って同じところに取り付けている。
②トレーニング時には心拍センサーをつける
もともとほとんどのエアロバイクにはハンドルのところに心拍センサーがついているのだが、これはデータを外部に送信することができないので別途Bluetoothの心拍センサーをつける必要がある。
一見面倒くさいように見えるが、ハンドルを持ち続けるために同じ姿勢を取り続ける必要がなくなる。楽な姿勢を取れるので、体に無理がなくトレーニングを楽に行えるようになるというメリットもある。
③スマホでデータを受信する
スマホで動作するサイクルコンピューターアプリを入れると、スマホをエアロバイク用のメーターとして使うことができる。
Bluetoothの信号からの情報を受け取って様々なデータを表示することができるようになるのである。
私がみつけたのはtrimm Cycling Centerというアプリである。
20種類程度のアプリを試してみた結果、エアロバイクで使えるアプリはほとんどなかった。私が見つけることができたのはこのtrimm Cycling Center1種類だけだった。
GPSでカーナビのように位置を取得してそこから速度や移動距離を測るアプリがほとんどなのである。
※他にあったら教えて下さいませ


これを使うと、スマホをセンサーにつないでサイクルコンピューターにすることができる。本当に素晴らしい。Strava連携は有料オプションになっていて、かつtrimmが製造しているサイクルコンピューターを連携させないとできないのだが、このアプリでの履歴は大雑把目だが見ることができる。

こんな感じである。
このアプリの使い方の概要については以下で簡単に説明する。
また、もっと詳しく履歴が見たい場合は次項の「接続方法その2サイクルコンピューターを取り付ける方法」を御覧いただきたい。
①センサーのペアリング
詳細 → センサー に行き、センサーを取り付けた状態でペダルを回すとセンサーが画面上に検出されるので、それをタップして登録する。
②スピードセンサーの調整
エアロバイクの場合は、ペダルを一回転させた場合の走行距離は常にだいたい一定なので、ペダルから走行速度を割り出すことができる。ダイヤ周長の設定を行えばほぼ正しく計測できるようになる。
タイヤ周長の設定とは、スピードセンサーの一回転が何mmに相当するか?は自転車によって違うので、それをセットしてやる作業である。
私の使っているエアロバイクはFITBOXというこの写真のものだが(色違い)、最初からFITBOXについているメーターと見比べてみたところ、5,200mmに設定するとちょうどいいということがわかった。
センサーの下の鉛筆のアイコンをクリックして、Writeをタップするとタイヤ周長の入力になるので、ここに5200と入力する(多分他のエアロバイクでもだいたいこのぐらいでいいんじゃないかなあと思う)
③表示項目の設定
詳細 → App data fields → Altitudeをタップ
画面レイアウトは左端の6分割を選び、速度・距離・ケイデンス・心拍数・活動時間をセットする。あと残りひとつあるがカロリーでも平均速度でも何でもお好きなものをセットしてもらえればいいだろう。
④実際に使う時
画面上部に地図が大きく表示されていて邪魔なので、地図の下にある ^ のボタンをタップする。これで地図の表示が小さくなり、③で設定された表示項目が全て表示されるようになる。
必要機材一覧
No | 品名 | 実売価格 |
① | NEWOKE 心拍センサー | 4,230円 |
② | NEWOKE CooSpo ケイデンススピードセンサー | 4,600円 |
①NEWOKE 心拍センサー

実売価格約5,000円(税込)
これは私も使っている心拍センサーである。心拍センサーはBluetooth対応であれば何を買ってもそんなに機能的には変わらないのだが、これは本当にお勧めである。
こんなに安いのに1年保証がついている。トレーニング中は汗をかなりかくので、汗が染み込んだりすると壊れることがあるので、1年保証がついているというのは安心。
また、機能面でもBluetoothのペアリングが切れるとアラームが鳴るというのがなかなかいい。しかもこれデザインがかなりイケてる。
②NEWOKE CooSpo ケイデンススピードセンサー
私も使っているものである。
実売価格約4,200円(税込)※2個同梱時あたり価格
ケイデンスセンサーやスピードセンサーのBluetooth対応であれば何を買っても同じなのだが、これはほぼ最安値。XOSSが売っているセンサーと値段は競り合っているのだが、私はNEWOKEを使っていてノントラブルなので、これをお勧めしたい。※まあ普通どれ買ってもトラブルないけどね・・・
同じセンサーが2個入っているセットも売られており、一個づつ買うより140円ほど安い。まあ、誤差の範囲って感じもするが。
接続方法その2 サイクルコンピューターを取り付ける方法
その1の最小構成でもいいのだが、Stravaといった本格的な履歴管理アプリには接続ができない。
また、エアロバイクの上のスマホ置きのところには、私はトレーニングのときはアニメやドラマなどを見ているのでスマホは動画を見るために置きたいのである。その場合は、サイクルコンピューターを別に取り付けることになる。
費用はかかるものの使いやすいので本当にお勧め。
スマホの場合だとトレーニングのときにいちいちアプリを立ち上げたりしなくてはいけないので面倒だが、サイクルコンピューターであれば電源スイッチを入れるだけでOKである。
構成としてはこうなる

①ここにセンサーを2つ取り付ける
前項と共通なので省略
②サイクルコンピューターを取り付ける

こんな感じでサイクルコンピュータを取り付ける。
取り付けにはブラケットという取り付けの台が別途必要になる。この写真でいうとLIXADAと書いてあるところがブラケットである。
サイクルコンピューターはスマホと同じようにスピードセンサー・ケイデンスセンサー・心拍センサーからのBluetoothの信号からの情報を受け取って、速度やペダルの回転数、心拍数、走行距離、平均速度などな様々なデータを表示する。また、表示するだけでなくサイクルコンピューターを介して、スマホのアプリにトレーニングの詳細な履歴を送信する。これにより、詳細なトレーニングの履歴を見ることができるようになるわけだ。
これらのセンサーは一度ペアリングしてやれば、運動する度に自動的に信号を送り、サイクルコンピューターに表示されるようになる。
③スマホにBluetoothでデータを送信する
スマホに自転車でのトレーニング履歴を見ることができる、iGPSPORTが提供しているアプリをインストールしてやる。
スマホとサイクルコンピューターをペアリングしてやると、いい感じにセッティング完了である。
④トレーニング時には心拍センサーをつける
もともとほとんどのエアロバイクにはハンドルのところに心拍センサーがついているのだが、これは使えないので別途Bluetoothの心拍センサーをつける必要がある。
一見面倒くさいように見えるが、ハンドルを持ち続けるために同じ姿勢を取り続ける必要がなくなる。楽な姿勢を取れるので、体に無理がなくトレーニングを楽に行えるようになる。
必要な機材と価格をまとめてみよう
もっとも上記のことができる機材を調べてまとめてみた。
特に大変なのがサイクルコンピューターだ。Bluetoothでセンサーと接続でき、室内でも距離を測ることができ、インターネットでの接続が可能で、タイヤ周長の設定が自由に可能なものという条件だと本当に数が限られる。
いろいろ調べてこの構成になった。
何日もかけて調べたり、メーカーに問い合わせしたりしたのである。
お勧めの機材一覧
No | 品名 | 実売価格 |
① | サイクルコンピューター CYCPLUS M1 | 4,500円 |
② | NEWOKE 心拍センサー | 4,230円 |
③ | NEWOKE CooSpo ケイデンススピードセンサー | 4,600円 |
④ | サイクルコンピューター取り付けブラケット | 799円 |
①サイクルコンピューター CYCPLUS M1

実売価格約4,500円(税込)
これは中国メーカーの製品なのだが、この価格とは思えないとんでもない多機能なサイクルコンピューターである。
詳しいレビューはこちら「4,000円台で買える!CYCPLUS M1はコスパ最強のサイクルコンピューター」を御覧いただきたい。
XOSSが開発しているアプリでインターネットに接続してトレーニングの詳細が把握できる。こんな感じである。かなりイケてる。実はこれは私も使っているものなのだが、とってもいい。
こんな感じでトレーニング履歴を確認することができる。

また、Stravaといったトレーニングアプリと連携することも可能だ。素晴らしいとしかいいようがない。
これは不思議なことに中国通販のAliexpressやWishよりも日本のAmazonの方が安い。というわけで普通にAmazonでポチってしまうのが吉。
②NEWOKE 心拍センサー

その1にて説明したので詳細は省略
③NEWOKE CooSpo ケイデンススピードセンサー

その1にて説明したので詳細は省略
④サイクルコンピューター取り付けブラケット

実売価格約800円(税込)
Garmin互換とうたっている製品であればどれを買っても一緒である。
外れにくさに違いはあるのだろうが、エアロバイクで使っているので普通の自転車に乗るのと違って揺れたり転んだりしないので、どれを選んでも外れてしまうことはないはず。ということで安いものを選べばOK。
これは私が使っているものだが、多分これが最安値だと思う。
FITBOXというエアロバイクにつけているのだが、FITBOXを使っているなら、私と同じものを使えば間違いなく無難である。
これで毎日のエアロバイクライフがますます充実することうけあいである。
ではよいエアロバイクライフを!(そもそもエアロバイクライフって何じゃ?)
あと下記の記事もエアロバイク(スピンバイク)について書いているので参考になるかも知れない。
エアロバイクを購入するべきか?買うならどのエアロバイクを買えばいいのか- エアロバイク目的別おすすめ全23選
多くの機種を目的別に分類して紹介している。ほしい機種が品切れだった、予算に合わない、といった場合に参考になるだろう - エアロバイク(フィットネスバイク)の種類の詳細とお勧め機種
エアロバイクの形状による分類・分類別のお勧め機種 - FITBOXとFITBOX LITEのどちらを買うべきか?
通常版の49,800円と廉価版の34,800円のFITBOXの機能の違いについて徹底的に解説してみた - 固定・3本ローラー台・エアロバイク・スピンバイクの騒音・価格など比べてみる
室内で自転車トレーニングをするための機材のメリットデメリットを、全て試した私が比較してみた記事 - スピンバイクとエアロバイクの比較・どっちを買うべきか?
まあ、結論としてはスピンバイクを買えってことである - スピンバイクの比較方法・選び方
高級機と普及機の違い、負荷の方式についてちょっとマニアックに調べて書いてみた - FITBOXのポジション調整範囲について
身長・股下の長さに寄ってFITBOXを快適に使えるかの詳しい調べ方を書いてみた - デスクの下に置く簡易エアロバイク?激安3,000円!Falconエクササイズバイクを買ってみた
すごく安い割には使えるのではないでしょうかという結論
- エアロバイクのメーカー「アルインコ」の特徴
ラインナップの多彩さで他社を圧倒、コンピューターによるトレーニングプログラムが特徴 - エアロバイクのメーカー「ハイガー産業」の特徴
日本国内のスピンバイクの草分け的存在・コストパフォーマンスに優れたメーカー - エアロバイクのメーカー「大広」の特徴
室内トレーニング器具の専門メーカーならではライナップでコストパフォーマンスが高い - エアロバイクのメーカー「AINEXT」の特徴
メーカーとしては後発だが完成度が非常に高い機種を作っている
- スピンバイク(エアロバイク)の汗対策
1時間ぐらい乗るなら汗対策必須! - スピンバイクのお尻の痛みにはこれだ(女性版)
身長の小さい女性にはこれが効果があったのでおすすめしたいというわけ - EZONの心拍計付スポーツウォッチの精度をGarminと比べてみる
心拍計のついていないエアロバイクには絶対オススメ、めっちゃ安いし、最初から心拍計がついていてもオススメ
- エアロバイクに毎日乗るのが楽しみに!効果的・楽勝エクスサイズ
エアロバイクを買ってみたものの飽きてしまった?これがエアロバイクの最大の落とし穴。そうならない簡単な方法紹介 - タバタ式トレーニングの効用・方法、そして効率的にするための機材
たった5分で効果抜群?話題のタバタトレーニングにスピンバイクが最適であるという話
- エアロバイクのスピードメーターはいらない!スマホで超多機能メーターを実現する方法
エアロバイクについているスピードメーターは低機能なのでスマホを使ったらハッピーになれるという話 - バーチャル自転車アプリZWIFTをエアロバイクで楽しむ方法【2020年版】
文字通り(?)e-Sports 自宅で世界中の人とサイクリングできるバーチャル自転車アプリZWIFTをエアロバイクで楽しむ方法。他のサイトにはなかなかない情報なので是非! - エアロバイクに市販のスピードメータを取り付ける方法
自転車用のサイクルコンピュータ(速度や心拍数を計れる機械)を取り付けるレポート - エアロバイクをスマート化してトレーニング履歴を管理する方法
最初からインターネットにつながるエアロバイクの機種の紹介と、どんなエアロバイクでもインターネットにつなげる方法
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