スピンバイクはどこが違うのか?比較方法と選び方

スピンバイクは値段は3万円ぐらいから上は30万円を超える高級機までとピンきりである。
しかし、基本的な構造は安いものと高いものでそれほど変わらない。ではどこが違うのだろうか。

  1. 耐久度
  2. 安定性
  3. 負荷のかけ方
  4. ホイール部分の重量
  5. 心拍計の有無・性能・センサーの方式
  6. パワーメーターの有無
  7. ポジションの調整の自由度
  8. サドルの品質
  9. ペダルの違い
  10. 防錆耐久性

おもにこの10点であるが、それぞれについて説明するのである。

1.耐久度

値段が10倍違うから10倍違うというものでもない。

スピンバイクは構造上壊れる場所がほとんどないため、どれを選んでも極端に耐久性に違いはないものと思われる。
もともと安物であったスピンバイクを中古で数千円で買って、それを何年も使っているなんていう話もある。安いものを買って、最悪壊れたら買い換えるってことでもよいと思われる。

安物だと無酸素運動のために強い力をかけたり、長時間連続運動すると壊れるなんてことを書いているサイトもあるが嘘八百である。
自分で買って使ってみたのか?って言いたいのである。

2.安定性

高級機になるほど一般的には重量が重たくなり、安定性が増す傾向がある。
体重が3桁に届くような人は高級機を買ったほうが無難かもしれない。

3.負荷のかけ方

要はペダルの重さを変えるための方法である

①摩擦式

負荷をかける原理

摩擦に強いフエルトや革を車輪の外周に押し当てる強さを変えて負荷の強さを変える方法。

長所

  1. ローコストである(高級機でもこの方式が採用されている場合もある)
  2. 構造が単純なので壊れにくい
  3. 負荷は無段階で調整が可能
  4. 非常に強い負荷も簡単に実現できる

簡素な仕組みで強い負荷がかけられる摩擦式は、ハードなトレーニング用途に使うスピンバイクにはうってつけといえる。

短所

  1. 繊維が摩耗するため交換の必要がある(とはいえ、数年ぐらいは普通は持つ)
  2. 繊維が接触するため若干こすれる音が発生する(ペダルを回す音に比べたらずっと静かなので問題にはならない)

②マグネット式

負荷をかける原理

ホイール(自転車でいえばタイヤに相当する部分)に永久磁石を接近させて配置させてある。この永久磁石の磁力を利用して負荷をかける。 磁石の距離を変えることで負荷の強さを変えることができる。

長所

  1. 負荷装置がホイールに接触しないため、負荷装置から音はまったく発生しない
  2. 摩擦による消耗がないのでパットの交換が不要である

短所

  1. 連続使用すると発熱により劣化する。安い機種では長時間のトレーニングには向かない
  2. 高コストである。スピンバイクではなくエアロバイク(テレビ通販とかで売っているような家庭用室内乗用器具)ではローコストで製造できるため主流になっている。しかし、スピンバイクのような高負荷で使用するように強度を持たせるとコストが跳ね上がる。

4.ホイール部分の重量

この写真の赤枠で囲った回転する部分である。

スピンバイクのホイール
高級機になるほどこの回転部分の重量が増して、より強度の高いトレーニングが可能になるといわれている。
この部分の重量を増やすと、全体的に強度が必要になるので価格が高くなっていく。

とはいえ、負荷を変えられるのがスピンバイクなので重さを大きくする必要は私はないと思っている。

5.心拍計の有無・性能・センサーの方式

①心拍計の重要性

大抵のスピンバイクはサイクルコンピューターがついていて、速度計、経過時間、消費カロリー、走行キロ数ぐらいはたいてい計測ができる。でも、心拍計はある程度以上の機種でないとついていないことが多い。

スピンバイクのトレーニングにおいて、心拍数の計測は最重要である
トレーニングする目標によって目標とする心拍数が変わってくる。有酸素トレーニングにおいて心拍数の管理は必須でありこれ抜きには語れないのだ。
最大心拍数の何パーセントぐらいで運動するとどのような運動効果が得られるかが異なるのである。

最大心拍数(マフェトンによる180公式) 最大心拍数 = 220 - 年齢 例)40歳であれば最大心拍数は180となる

  • ダイエット・運動不足解消・ウォーミングアップ・クールダウン 50%~60%:軽いトレーニング 脂肪の燃焼割合が高くなるため、この程度のトレーニングを長時間続けるとダイエット効果が高い。
  • 持久力向上 60%~70%:ややきついトレーニング このレベルのトレーニングを長時間続けるのがいわゆるLSD(Long Slow Distance)で持久力が向上する。
  • 70%~80%:きついトレーニング 最大酸素摂取量が向上するため、持久力が必要な競技力が大きく向上する。
  • 筋力・瞬発力の向上 80%~90%:非常にきついトレーニング 無酸素運動の領域に入ってくるため、長時間のトレーニングには適さない。瞬発力の向上、筋力の向上がみられる。

といった運動の目的によって維持する心拍数が変わってくるのだ。

②心拍計の方式

スピンバイクだと、心拍計のセンサーはハンドルのところについているのが普通である。

エアロバイクの心拍センサー

この赤丸で囲っている部分が心拍センサーであって、この部分を握っている間しか心拍数が測れない。
スピンバイクのハンドルは様々な場所をつかんでトレーニングできるようになっている。
しかし、心拍を測るのであれば心拍センサーの場所をつかみ続けなくてはならない。同じポジションを強いられるのは非常に疲れるのである。

一番いいのは胸に心拍センサーのベルトを巻く方式である。心拍センサーの胸ベルト

高級機になると有名メーカーの心拍センサーに対応している。たいてい別売りだが、心拍センサーを買うとこれで測ることができる。これでなければ意味がないというぐらい重要だ。
ちなみにこの写真で胸に巻いているのは有名なポラール社のセンサーである。

③心拍計の性能

心拍数が高い高強度のトレーニングなどになると、心拍計の精度が重要になってくる。
心拍数の急激な上昇、下降を捉えて正確に表示する必要があるが、安いスピンバイクに付属のサイクルコンピューターは大体において性能が低くあまり使い物にならないといわれている。

④心拍計はいらない?

私はスピンバイクに最初から付属している心拍計、それを含むサイクルコンピューターはいらないと思っている。
スポーツ自転車に使われる心拍計測対応のサイクルコンピューターは精度が高く、胸ベルト方式の心拍センサーがついている(あるいはオプションで付けられる)のでこれに取り換えることを推奨するのである。

私はGarmin社のEdge 520Jを使っているがこれはトレーニング用のサイクルコンピューターとしては最強である。
スピンバイクのサイクルコンピューターを取り外してこんなふうに使っている。Garmin520Jをハイガー産業のスピンバイクHG-YX-5006にとりつけてみたところ

Garmin Edge 520Jが良くってすごくはかどる。

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現在はモデルチェンジしていて、Edge 530が最新モデル。
もっと上位機種もあるのだが、トレーニングという観点であればこれ最強だ。お値段は高いが、すごくモチベーションがアップする。
まあ、これにこだわるわけではなく(高いし)、心拍数計測可能なサイクルコンピューターであれば充分である。

あるいはスマホを使うという方法もある。詳しくはエアロバイクのスピードメーターはいらない!スマホで超多機能メーターを実現する方法を御覧いただきたい。

6.パワーメーターの有無

運動の強度を測り体への負荷を知るのが心拍計だ。
それに対して実際にどれくらいの力が実際に出ているのかを知るのがパワーメーターである。

運動経験のない中年サラリーマンが限界までこいでいるのと、競輪選手が軽めにこいでいる状況を考えてみよう。
競輪選手が軽くこいでいる時の方がはるかにパワーが出ているはずだ。

スピンバイクには速度計があるが速度はパワーの計測の役には立たない。
何故ならば、パワーはペダルを回す重さが関係するからだ。同じ時速10kmでも、めちゃめちゃペダルを重くした状態と、まったくペダルに重さをかけない状態では、こいでいるパワーが全く違う。
どれくらいパワーを出しているのか?出すことができるのか?を唯一客観的に測る指標がパワーなのである。パワーの単位はW(ワット)であり、これが測れなければ、トレーニングを行っていてどれくらい進歩したか?を知る術がない。

パワーメーターがついている機種は非常に少なく、とても高価であるがそれだけの価値はある。
自転車に取り付けるパワーメーターも販売されているが、一般的には10万円程度はする。しかも、パワーメータはスポーツ自転車に取り付けるものなので、普通はスピンバイクには取り付けられない。かなり無理すればつくのだが難しいのである。

最初からパワーメーターがついているスピンバイクは、一見高いようでもコストパフォーマンスとしては悪くない(かもしれない・・・)。

これは評判がよく海外でも売れているらしい。

英語版のアマゾンのレビューの評価の高さは驚異的である。
英語は苦手なのだが読んでみると、「ロードバイクに乗るのが大好きだが、冬場には乗れない。仕方がないのでフィットネスクラブとかいって業務用の固定バイクに乗ってみたがやっぱり楽しくない。でも、このカイザー社のは違う。ロードバイクに乗っているみたいで楽しい!」 といったようなレビューがついている。読んでいると買いたくなってくる・・・。

7.ポジションの調整の自由度

  • サドルの高さ(椅子だね)
  • サドルの前後調整
  • ハンドルの高さ
  • ハンドルの前後調整

この自由度がどれくらいあるか?値段の高いものになると無段階調整であるのが普通。
安いものだとサドルとハンドルの高さは調整できるが、他は調整できずかつ6段階調整といったぐあいになる。

最も重要なのがサドルの高さ。ペダルを下まで下げたときに、つま先からかかとまでを地面に水平にしてみて、ひざがちょうど伸びきる状態に調整する。
この状態でひざがあまり曲がるようだと、パワーのロスが出るし、トレーニングによってひざを傷める原因にもなる。

その高さにして、ハンドルが少しだけサドルより下になるように調整すると、ロードバイクと同じようなポジションになる。まあ、サドルの高さは非常に重要だが、空気抵抗とか関係ないのでその他はそれ程重要ではない。
ポジション調整は安いものでも最低限可能なので、それ程重要なファクターでもない。
でもロードバイクのトレーニングをするといった目的があるのであれば、同じ筋肉を鍛えるためにロードバイクにポジションを合わせられるのが理想。まあ、でもきちんと合わせられなくても単なるホビーレーサーであれば問題にはならないはず。

8.サドルの品質

サドルの良し悪しによってトレーニングの疲労度が変わってくる。

そしてもっと重要なことは、まだ体力は全然残っているのにお尻が痛くてトレーニングが続けられないという状況が起こってくることである。
ロードバイクではこの問題は非常に深刻で、数万円もするようなサドルを、自分に合うのが見つかるまで次々と買い換えていく人も存在する。
スピンバイクも高級機になるとロードバイク用のサドルがついていたりする。またはロードバイクの高級なサドルに交換できたりするわけだ。でも私は、スピンバイクのサドルはなんでもいいと思っている。

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このサドルカバーを使えば解決するからである。NASA博士発明のサドルカバー私はこれをずっと使っているが、本当に快適である。

Amazonのレビューでも嘘だろうっていうぐらいいい評価がついているが本当である。
自転車のお尻の痛みから解放される!「NASAの博士発明のサドルカバー」は素晴らしい!ロードバイク乗りにも買いだ! 詳しくレポートしているので是非ご覧いただきたい。
私はこのサドルを激安のスピンバイクにも使っているが、実に快適でお尻が痛くなったことは全くない。これでいいのだ。という感じである。

9.ペダルの違い

安いスピンバイクはペダルが悪く、激しいトレーニングをすると壊れるというような情報があるが真っ赤な嘘である。

安いスピンバイクはママチャリのペダルを流用しているのだが、必死に立ちこぎをしたら壊れるなんて話は聞いたことがない。っていうか、そんなペダルがあったらPL法にひっかかってえらいことになる。
スピンバイクでのペダルの品質の違いは強度ではなく下記の2点である。

①ビンディング対応か否か

ロードバイク用の足を固定するビンディングペダルであるかどうかである。
高級機になるとビンディングペダルになっていることが多い。
ビンディングを使うためには専用のシューズが必要である。しかしスピンバイクの場合は高級機でも片面はフラットペダル(まあ、普通のママチャリのペダルみたいなものですな)になっているため、普通の靴でも乗れるようになっている。

安価なスピンバイクの場合はフラットペダルである。でも、これに関しては安いスピンバイクでも、汎用のペダルが取り付けられていることが多い。その場合は交換が可能なので重要なポイントでもない。
ロードバイクのトレーニングをする人以外にはビンディングペダルである必要はないし、ロードバイクに乗る人でも室内でまでビンディングペダルは履きたくないという人が多いだろうから、まあどっちでもよかろうと思うのである。

②ペダルの性能

ペダルの性能によってこいだ時の感触が変わってくる。
いいペダルになると、抵抗が少なくなるのでスムーズなペダリングが可能になる。
自転車でレースで走るとか、ツーリングに行ったりするのであれば、ペダルの回転でパワーをロスするのはもったいない。
でもスピンバイクはトレーニングで使うものなので、負荷が必要なのでロスがあろうがあるまいがどちらでもよかろう。

10.防錆耐久性

さびに対する耐久性は塗装の方法、材質が関係する。
値段の高いスピンバイク、30万円ぐらいするような準業務用にカテゴライズされるような機種は塗装にコストがかかっており、さびにくいようである。
また、近年では数万円程度の安価な機種でもプラスチックの筐体で覆うことで、錆びないつくりになっている機種もある。

最後に

スピンバイクの様々な違いについてみてきた。
パワーメーターの有無以外は決定的というほどの違いはほとんどないというのが結論であると思う。

実際に安いスピンバイクがボクシングジムで使われているという例もある。
守永光義【大和ジム】オフィシャルブログ「チャイスー」より
安い機種であってもヘビーディーティーな用途に耐えるのがスピンバイクである。トレーニング効果は変わらない。

ではなぜ高い機種を買うのか?であるが、軽自動車でも、高級車でも同じところには同じように移動できる。でもまあ快適性、所有していることの満足度は違うだろう。まあ、そこが重要なのではないか?と思うわけである。

あと下記の記事もスピンバイクについて書いているので参考になるかも知れない。

スピンバイクを購入するべきか?買うならどのスピンバイクを買えばいいのか

スピンバイクを買ったらついでに買うといいかもしれないものについて

スピンバイクを使ったトレーニング法

コメント

  1. アフロ より:

    こんばんは、初めまして。
    ブログ参考にさせて頂いております。

    息子(高校3年)のトレーニング用にスピンバイクの購入を検討中です。

    タバタ式トレーニングをするつもりで、5001か5006のどちらかにしようと思っています。

    少し教えて下さい。

    ①息子は膝が悪いんですが、スピンバイクは空回りしないのでレストに入るとき膝に負担が掛かってしまわないか心配です。スムーズに速度を落として止まることが出来るんでしょうか?

    ②息子は身長が165cmと小柄ですが、やはり5006の方が良いんでしょうか?

    お忙しい所すみませんがアドバイス頂けると幸いです。

    宜しくお願い致します。

    • chari より:

      ご覧いただきありがとうございます。
      このような過疎のブログにお越しいただいて嬉しいです。
      これからもごひいきください。

      さて、ご質問にお答えします。

      ①スピンバイクは空回りしないのでレストに入るとき膝に負担が掛かってしまわないか心配です。

      全然問題ありません。漕ぐのをやめるとすぐに回転数が落ちます(足の重量がおもりになるので)。その際に膝に負荷がかかるということはないです。無理に止めようとすれば膝に負荷がかかるかもしれませんが、レストは止めるわけではなく、積極的に回さなくなるだけなので、心配ありません。

      ②息子は身長が165cmと小柄ですが、やはり5006の方が良いんでしょうか?

      5006がいいとおもいますよ。私は身長171cmですが5006を使ってますし。

      高校生ですか。いいですね。私も高校生の息子がいますので、これからも情報交換などさせてください。

  2. マルマ より:

    失礼致します!スピンバイクの事取り上げて頂き感謝します。もしご享受いただければ幸いでございます。

    当方、高強度インターバルトレーニング(タバタ式)で使用する為、下記2機種で迷っているのですが、使えますか?

    ①そもそもこの2機種のくくりはスピンバイクですか?エアロバイクですか?
    (どちらもマグネット式なのに安いし、FITBOXの方は制限時間有り。スピンバイクのマグネット式はもっと高いですかね?)

    ②どちらが良いですか?

    A FITBOX第3世代(約49000円)
    B TOP.STARフィットネスバイク(約34880円)
    どちらもAmazon、楽天に出ております。

    • chari-nikki より:

      コメントありがとうございます。
      エアロバイクなのかスピンバイクなのか?というとあまり意味がないように思います。
      今はこの二つの境は非常にあいまいになっていて、主に有酸素運動で使うのがエアロバイク(エアロビック運動という意味から)、無酸素運動含む高強度のトレーニングに使うのがスピンバイクとよばれてきました。

      スピンバイクはどっちもできますし、強度の十分なエアロバイクであれば結局どっちもこなせるので、何ともかんともなのです。

      TOP.STARフィットネスバイクはマグネット負荷で制限時間30分という制限があります。

      *使用体重制限:120kg *連続使用定格時間:30分 (メーカー保証1年)

      今ならFITBOXを推したい気がします。メーカーに確認したところ連続使用時間90分とのことで、これだったらいいのではないかと思います。マグネットであれば、消耗部分がないので良いと思います。

ブログ村自転車用品ブログ