アルインコ社株式会社の概要
アルインコ株式会社は東証一部上場の大手企業である。
主事業は足場を中心とする建設資材の製造・販売・レンタルである。
しかし、それにとどまらず家庭用品や、業務用無線機やアマチュア無線機といったデジタル機器の製造販売も行っている。
昔は「アルインコテレビショッピング」という名称で、今のジャパネットたかたぐらいの勢いで、通販のCMを大量に流していたのでアルインコという名前を覚えている人も多いかもしれない。
エアロバイクにおける業界内のポジション
このように書くと、エアロバイクには力を入れていないように感じられるかもしれないが、会社の規模がそもそも違う。エアロバイクといったフィットネス機器の2020年3月決算の売上は約60億円弱となっている。
エアロバイクという商標を持っているコナミスポーツは別格であるが、他にこのたぐいのトレーニング機器を扱っている専業メーカーの規模とは全く比べ物にならない。
日本国内では大手であっても、年商が数億円程度なので全く比較にならないというレベルである。
家庭用エアロバイクのラインナップについて他社を圧倒する品揃えを誇っている。
またジョギングマシンといった室内運動器具の他にマッサージチェアといった健康器具、ダンベルといったトレーニンググッズも扱っている。
エアロバイクについてはホームページに掲載されているだけでも28機種のラインナップがある。その他にもホームページには掲載されていない機種もあるため、実際には更に多く、ラインナップで他社を圧倒している。
アルインコ社のエアロバイクの特徴
1.家庭用に特化している
他に日本国内だとエアロバイクを製造販売している大手メーカーとしては、他に大広株式会社があるが、大広社との大きな違いは家庭用に特化していることである。
大広社はフィットネスクラブ用の筋肉トレーニングのマシーンや、エアロバイクについては準業務用の30万円を超える高級機のラインナップが数多くある。
これに対してアルインコは家庭用に完全に特化していることが特徴である。
価格設定が安い
1万円程度ぐらいからラインナップされており、最も高額なアドバンストバイクAFB7218であっても、実売価格約55,000円と業務用に比較すると非常に安い価格設定である。
静音性に優れている
アルインコのエアロバイクは全てが磁石によって負荷を作り出す方式になっている。この方式は長時間の連続使用には耐えないものの、静音性が高くほぼ無音であることが特徴である。
コンパクトな折りたたみ方式が多い
家庭用ということで、なるべくじゃまにならないようにコンパクトに折り畳める機種が多い。
折りたたみ式は負荷を大きくできないものの、使用していないときはコンパクトになるのが特徴である。
2.電子制御の機能が充実している
フィットネスクラブなどにある業務用のエアロバイクには、電子制御によるトレーニングプログラムの機能がある。
ダイエットであったり、無酸素運動能力のアップであったり、心肺能力の向上といったトレーニングメニューが最初からセットされている。
トレーニングの目的をセットしておけば、個々人の体力レベルに応じて適切に負荷を調整してくれる機能だ。
例えばダイエットであれば、最高心拍数の50%~65%を維持するとか、最大酸素摂取量(VO2max)を高めるためには1時間維持できるパワーより多くのパワーを出すといった定量的なトレーニングが重要になってくる。
数値を基準とした科学的なトレーニングは、パワーや心拍数を測り、この調整を行うことで可能になる。
プログラムを選択すれば自然にそのように運動することができるのである。イメージとしてはトレーナーの人が隣についていてストップウォッチを持ちながら、
「はいもっと回して!」「もっともっと回して!」「はい少し下げて」
というようにメータを見ながら指示してくれるという感じである。特に高強度インターバルトレーニングなんかは、一滴残らず体力を絞り取ってくれる感じである。手(足?)を抜こうにもペダルが勝手に重たくなって、限界まで体力を絞り取ってくるのが恐ろしいプログラムである。
例えばこんな感じである。

また、トレーニングプログラムの中には体力測定といったプログラムもあり、客観的に心肺能力を評価するといったこともできる。
これは非常に使えるプログラムで、月に一回程度実施すると、体力がついてきたことを数字で把握できるのでモチベーションにつながる。
アルインコ社のエアロバイクは、トレーニングプログラムの機能がついている機種が多数あるのが特徴である。
このあたりは無線機といったデジタル機器を自社で設計・製造している強みであろう。

アドバンストバイクAFB7218のメーターパネルはこんな感じ。業務用のエアロバイクと変わらないほど多機能であることがこれを見るだけでひと目で分かるだろう。
3.連続使用時間が30分という制限がついている機種がほとんど
私が常にエアロバイクの機種の選定で力説しているのが
「なるべく長時間乗れる機種を買え!」
ということである。エアロバイクは退屈なトレーニングなので、面白いテレビ番組の録画を見ながら乗ることをお勧めしている。
ダイエット目的で乗る場合はとにかく軽い負荷で、なるべく長時間連続して乗るのが望ましい。だから、長時間乗れる機種がおすすめなのだ。
私は必ずアニメを見ながらエアロバイクに乗ることにしている。
アニメはCMやオープニング、エンディングを除くと1本で20分ほどである。
面白いアニメを見ながら乗ると、あともう一話見たい!と思うことが多々ある。そうすると、エアロバイクに乗る時間が自然と増える。
1本だけ見るつもりで乗っても、あともう1本見たくなるというわけだ。そうすると、最低40分強の連続使用に耐える必要がある。
できれば、更にもう1話分で60分乗れれば更にベター。
ところがアルインコは30分制限がついている機種がほとんどである。そこが非常に残念なところなのだ。
※本当のところはもっと乗っても大丈夫なのかもしれない。上場企業ということで、安全第一で余裕を大きく取っているだけかもしれないのだが・・・
アルインコのお勧めのエアロバイク
60分使える機種が2機種あり、この2機種はトレーニングプログラムを搭載しておりとてもおすすめできる素晴らしいフィットネス器具である。
60分の連続使用時間を保証しており、安全マージンを取っているはずなので、実際には5割増だったら90分まで使用できるぐらいだと思う。先程書いたアニメ3本の60分だったら問題ないはずである。
とはいえ、アルインコの60分乗れる機種は折りたたむことができないし、高価なので30分だけの機種も候補にあげておきたい。
クロスバイク AFB4417

実売価格約11,800円(税別)
※価格は目安とお考えください
折りたたんでコンパクトに収納できるモデル。
とはいえ、アルインコにこだわりがなければ、むしろアルペンが販売しているオリジナルブランドであるTIGORAのTR-FB003をお勧めしたい。TR-FB003は税別価格では1万円をちょっと切る驚異の低価格で、折りたたむこともできかつ連続60分間の使用に耐える。

プログラムバイク AFB6119

ALINCO AFB6119
実売価格約31,600円(税別)
※価格は目安とお考えください
これは他社にないコンセプトモデル。トレーニングの履歴をアルインコのアプリで見ることができるという機種。まさにデジタル機器を作っているアルインコならではである。
この機種が30分しか使えないというのが実に惜しい!
というわけで、ごく普通のエアロバイクをインターネットにつないで、トレーニング履歴を管理する方法をこちらのページ「エアロバイクをスマート化してトレーニング履歴を管理する方法」にまとめてあるので、参考にしていただければ幸いである。これなら、長時間連続使用できるエアロバイクを使うこともできる。
アドバンストバイク AFB7218

実売価格約55,000円(税別)
※価格は目安とお考えください
家庭用エアロバイクの最高峰といっていいほどの多機能を誇る機種である。またスマートなスタイリングも、トレーニングのモチベーションにつながると思う。
実売価格は55,000円ほどであり、一見高いように見えるが機能を考えればコストパフォーマンスは非常に高い。メーターを見てもらえればわかるが運動量(W)を測ることができる。
自転車のW(ワット)を計測する機器をパワーメーターというが、パワーメーターは安いものでも4万円ぐらいする。このエアロバイクに搭載されているパワー計測は簡易版ではあるが、それでも非常に価値が高い。
後悔しない1台を買いたいというなら、迷うことなく私はこのアドバンストバイク7218をお勧めしたい。
あと、このようなパワー計測や電子制御機能のある機種が充実しているのは大広株式会社である。こちらの大広の紹介ページもご覧になるといいだろう。
プログラムバイク LUXE BKJ7118

実売価格約51,000円(税別)
※価格は目安とお考えください
この機種は不思議なことにアルインコ社のWebサイトに掲載されていないのである。しかし、Amazonや楽天で確かに市販されている。
アドバンストバイク7218と比べると機能としては少々劣っている。
トレーニングプログラムの種類がアドバンストバイク7218は12種類に対して、LUXE BKJ7118は6種類である。とはいえ、それほど大きな違いではない。
LUXE BKJ7118の方が少し値段が安い。またスタイルに大きな違いがあるが、こちらが好みだったらこれを買ってもいいだろう。
最後に
アルインコのほとんどの機種は連続使用時間が30分というところが非常に残念である。
しかし、ここにあげた2機種は60分の使用に耐え、コンピューターによるトレーニングプログラムに対応している素晴らしい機種である。予算が許せば買って損はない。絶対にお勧めである。
あと下記の記事もエアロバイク(スピンバイク)について書いているので参考になるかも知れない。
エアロバイクを購入するべきか?買うならどのエアロバイクを買えばいいのか
- エアロバイク目的別おすすめ全23選
多くの機種を目的別に分類して紹介している。ほしい機種が品切れだった、予算に合わない、といった場合に参考になるだろう - FITBOXとFITBOX LITEのどちらを買うべきか?
通常版の49,800円と廉価版の34,800円のFITBOXの機能の違いについて徹底的に解説してみた - 固定・3本ローラー台・エアロバイク・スピンバイクの騒音・価格など比べてみる
室内で自転車トレーニングをするための機材のメリットデメリットを、全て試した私が比較してみた記事 - スピンバイクとエアロバイクの比較・どっちを買うべきか?
まあ、結論としてはスピンバイクを買えってことである - スピンバイクの比較方法・選び方
高級機と普及機の違い、負荷の方式についてちょっとマニアックに調べて書いてみた - FITBOXのポジション調整範囲について
身長・股下の長さに寄ってFITBOXを快適に使えるかの詳しい調べ方を書いてみた - エアロバイク徹底比較 どこよりも詳しく調べてみた
更に詳しい情報を知りたい人向け。選び方・付き合い方など全力で書いてみた
エアロバイクのメーカーの特徴
- エアロバイクのメーカー「アルインコ」の特徴
ラインナップの多彩さで他社を圧倒、コンピューターによるトレーニングプログラムが特徴 - エアロバイクのメーカー「ハイガー産業」の特徴
日本国内のスピンバイクの草分け的存在・コストパフォーマンスに優れたメーカー - エアロバイクのメーカー「大広」の特徴
室内トレーニング器具の専門メーカーならではライナップでコストパフォーマンスが高い
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文字通り(?)e-Sports 自宅で世界中の人とサイクリングできるバーチャル自転車アプリZWIFTをエアロバイクで楽しむ方法。他のサイトにはなかなかない情報なので是非! - エアロバイクに市販のスピードメータを取り付ける方法
自転車用のサイクルコンピュータ(速度や心拍数を計れる機械)を取り付けるレポート - エアロバイクをスマート化してトレーニング履歴を管理する方法
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