エアロバイク(フィットネスバイク)の種類の詳細とお勧め機種

エアロバイクという言葉はコンビウェルネス(現コナミスポーツクラブ)の商標なので、本来はフィットネスバイクと呼ぶべきものである。
それはともかく、エアロバイクの種類である。

形状によってエアロバイクの性質はほぼ決まる。

形状による分類

エアロバイクは世間一般の分類としては3種類に分けられる。

  • アップライトタイプ
  • リカベントタイプ
  • スピンバイク

これにプラスして下記を含めると合計6種類となる。これはあくまでも私による分類なのだが、この6種類に分類するのが一番わかりやすいと思うのである。

  • Xバイク
  • コンフォートタイプ
  • ミニタイプ

コンパクトさ・用途別の向き不向き

結論からいうとこういうことである。

分類形状サイズ

安全性

価格

用途

ダイエットアスリートリハビリ
・高齢者
アップライト○~✕○~◎
リカベント
スピンバイクスピンバイクの乗車姿勢
XバイクTIGORA(ティゴラ)TR FB003-XB
コンフォート
ミニタイプ

では具体的に形状について説明しよう。

エアロバイクの形状

形状の説明にプラスしてお勧めの機種を選定しているが、選定の基準は以下の通りである。

  1. コストパフォーマンスがよい
    似たようなコンセプトの製品が多数存在する場合、最もコストパフォーマンスのよい機種を選んでいる。
  2. 原則として60分以上使用できる
    ダイエットという目的で使用する場合や、LSDといった体のベースを作るためのトレーニングをする場合、軽い負荷でできる限り長時間運動することが効果を高めるポイントとなる。そのため、最低60分の連続使用に耐える機種を選定している。
    ほとんどの機種が30分の制限があるので、ここで候補から外れてしまうのである。

①アップライトタイプ

家庭用・業務用を問わずだいたいのエアロバイクがこの形状に属する。

長所・短所:
長所も短所も特にない。いってみればこれがエアロバイクの標準であり、普通のエアロバイクである

このようにママチャリのような乗車姿勢で運動するのが、いわゆるエアロバイクである。
価格も様々で機能によって1万円台から数十万円と多岐に渡っている。エアロバイクの大手メーカー、大広株式会社の製品が多いのだが、大広株式会社の特徴についてはこちらの記事にまとめてあるので是非参考にしていただきたい。

アップライトタイプお勧めの機種

まずはごく普通のアップライトタイプ。
この大広の製品は安価でスタイリッシュ、コンパクトな造りでお勧めである。

DAIKOU ダイコー フィットネスバイク アップライトバイク 静音 ネット限定商品 家庭用 スマホスタンド付き 連続60分 ダイエットトレーニング DK-1020
大広

以下の5機種はトレーニングプログラムのついている機種。トレーニングプログラムとはフィットネスクラブなどにある業務機などにある機能で、トレーニング目的や年齢、性別などを選ぶと、コンピューターが自動的に、適切な負荷をかけてくれる機能である。DK-8615Pは選択できるプログラムの数や、負荷の段階数が少ないが、この価格は超絶ハイコストパフォーマンスである。

こちらはカテゴリとしてはスピンバイクに属するのだが、エアロバイクとして購入するユーザーが非常に多く、大変売れている機種であるためここでもあげておく。
ちなみに私が自宅で使っているエアロバイクはこの前のバージョンである。詳しいレビューはこちらの記事にあるので参考にしていただけると幸い。

FITBOX
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②リカベント (リカンベント )タイプ

背もたれのついた椅子に座り、前方に足を突き出した姿勢で乗るタイプである。

長所:
椅子に腰かけた楽な姿勢で乗るので体への負担が軽い
短所:

①床面積を多く必要とする
②乗車姿勢が大きく異なるので、スポーツ自転車のトレーニングには不向き
③部品点数が多くなるため比較的高価

もともと自転車にもリカベントバイクと呼ばれる自転車があり、この乗車姿勢をエアロバイクに応用したものである。

リカベント
WINDCHEETAH より引用
ちなみにこのリカベントバイクは大変人気が高く注文してから納品まで3年かかるそうだ

自転車でスピードを出す際に、時速が30kmぐらいになってくると前に進むことを妨げる抵抗はほとんどが空気抵抗によるものとなる。ということで、空気抵抗を減らすために、このように寝そべった姿勢で乗車するリカベントバイクが考案された。
平地や下り坂などでは非常にスピードが出るので、ロードバイクといったスポーツ自転車よりも有利とされている。
とはいえ、日本の道路では自転車と自動車が走る場所が不明確なことがほとんどだ。運転者から見えにくいため交通事故の危険性が高くほとんど普及していない。私も買ってみたいのだが怖くて乗れないw

リカベントバイクにはもうふたつの特徴がある。
ひとつは椅子に深く座ることができるため楽であること。
もうひとつはペダルを前に押すときに、体全体で支えているので力が入りやすいことである。

これをエアロバイクに応用したのが、リカベントタイプのエアロバイクだ。全身をリラックスさせた姿勢で無理なく運動できるという特徴がある。
そのため、フィットネスクラブだけではなく、老人ホーム、リハビリ施設、病院といった場所で広く使われている。
家庭用としてはマイナーなのだが、ダイエットに使う、運動不足の解消という用途にはもっと普及してもいいのではないかと思う。
デメリットとしては3つある。ひとつはスポーツ自転車用のトレーニングとしては、乗車姿勢が大きく違うので用いる筋肉が違うのでトレーニング効果が上がりにくいこと。もうひとつは設置場所が必要なこと。最後に部品点数が多くなるため価格が高くなることである。

リカベントタイプお勧めの機種

家庭用のリカベントタイプはほとんど大広株式会社の製品の独壇場という感じである。DK-1021RBは前述のDK-1020とメインユニットを共通化することで、3万円を切る低価格で実用的なリカベントタイプの販売を可能にしている。
DYACOは台湾メーカーだが、日本にもサポート拠点がある世界でも大手に属するメーカーでありおすすめできる。

DK-8304Rは機能はほぼ同等で、少々価格は高いがデザインが流麗なフォルムとなっており、こちらが好みであればこれを買ってもいいと思う。

以下の2機種はコンピューター制御によるトレーニングプログラムを搭載した機種。膝や腰を痛めてしまって、しばらくトレーニングができなくて困っているランナーの方などにお勧めしたい。

ナビス
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③スピンバイク

スピニングバイクともいい、一般的にはアスリート向けとされているタイプである。

長所:
①連続使用時間が長い
②スポーツ自転車に似たような乗車位置で乗ることもできるので、自転車トレーニングには一番向いている
③負荷のかかり方が自然でペダルを回す感触がなめらか


短所:
①ペダルを回すのをやめても、ペダルが惰性で回転し続けるため、足が滑った場合などに足に回転しているペダルが当たったり、ズボンが巻き込まれけがをする可能性はある(大した危険ではないが)
②ホイールが露出している機種も多いが、そのような機種では回転しているホイールに赤ちゃんやペットが巻き込まれることもありうる
③構造上コンパクトにつくることができない

さて、詳しく説明しよう。スピンバイクの特徴はふたつある。

スピンバイクの特徴その1:乗車姿勢

スピンバイクであれば上記の写真のような乗車姿勢をとって乗ることができる。
これはスポーツ自転車の1カテゴリであるタイムトライアルバイクの乗車姿勢に近い。

タイムトライアルは短距離を一気に走り切る競技で、空気抵抗をギリギリまで減らすためこのような乗車姿勢をとるわけだ。
スピンバイクはこのような自転車競技をおこなうアスリートも使うエアロバイクなので、こんな乗車姿勢をとることもできるように作られている。
とはいっても、こんな姿勢をとる必要はまったくない。
一般人であればハンドルの上の方をつかめば、ごく普通のエアロバイクとしても使用することができる。

スピンバイクの特徴その2:負荷を生み出す仕組みの違い

ホイールの重さによりペダルの重さを生み出すのが基本的な仕組みだ。

ハイガー産業HG-YX-5006のホイール

この赤枠で囲っている部分がホイール。
スピンバイクは重量の大きいホイールがペダルに直接つながれて回る仕組みになっている。
競輪などで使われているピストバイクという自転車や幼児用自転車に構造上は近い。普通の自転車はペダルを回すのを止めても、そのままタイヤは回り続ける。
しかし、ピストバイクや幼児用自転車はペダルを回すのを止めるとタイヤが止まるし、ペダルを逆方向に回すと自転車は後ろ方向に進む。
これと同じで、スピンバイクはいきなりペダルを止めるとホイールも止まる。

しかし、スピンバイクの場合はホイールの重量が重たいので、ペダルを急に止める事が難しい。ペダルをこいでいる足が滑ったりするとペダルが回転して、足を怪我したりズボンが巻き込まれる危険性があるわけである。

一般のエアロバイクはペダルから足が滑っても、普通の自転車と同じようにホイールが空回りするので全く危険性はない。しかし、スピンバイクにはこの危険性があるわけだ。まあ、大した危険性ではないが。

また、構造上コンパクトに作ることができない。

この3つのデメリットと引き換えに、えがたいメリットがある。

スピンバイクは強度が高く、かつ長時間の連続使用に耐える。
スピンバイクと称されるエアロバイクは60分を超える連続使用に耐えるのが普通である(連続使用時間60分を切るスペックのスピンバイクは見たことがない)。
なので、一般的なダイエット用などでゆるく乗りたいという用途に使うのにも、長時間乗れることからおすすめできる。

もうひとつの特徴として、負荷のかかり方がなめらかであることが挙げられる。
安い普通のマグネット式のエアロバイクだと、ペダルを回していると負荷の軽い場所と重い場所があり、いちいち引っかかる感じがするのである。
これに対して、スピンバイクは負荷のかかり方が一様でなめらかなことが特徴である。

近年では家庭用に作られたファッショナブルなスピンバイクも多く発売されている。
普通のアップライトタイプとスピンバイクの差は2021年現在ではほとんどなくなっている。スピンバイクはアスリートのトレーニング用途でも使えるエアロバイクのカテゴリという位置づけである。

スピンバイクお勧めの機種

FITBOXは前述したように私も使っているもので、後発の機種だけあってデザインやその他の基本的な作り込みの完成度が高くおすすめできる。詳しいレビューはこちら

あとHAIGE産業株式会社は日本におけるスピンバイク流行のさきがけとなったメーカーである。このHG-YX-5006は、私がかつて単身赴任先で使っていたもので、非常にコストパフォーマンスの高いモデルであった。HG-Y700はエアロバイクの中では類をみないスタイリッシュなフォルムで、座面やハンドルの高さを無段階に調整できるという他にはないメリットがある。ロードバイクに乗る人などで、ポジションを正確に合わせたい人にお勧めである。

YOSUDAのスピンバイクはアメリカのAmazonで非常に評価が高い。
スピンバイクは高級機になるほど、ホイールの重量が重いのだが、これは16kgととても重く、コストパフォーマンスに非常に優れている。ホイールの重量が重いほど、ヘビーなトレーニングに対応できるので、アスリートやアスリート志向の方に是非お勧めしたい。

注意点として、YOSUDAとHG-YX-5006は回転するホイールが外に露出しているので、ペットや赤ちゃんが巻き込まれる危険性があるので、その点は考慮したほうがよい。

FITBOX
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Xバイク

乗車姿勢はアップライトタイプと同じだが、X型のフレームを持ちフレームを閉じることでコンパクトに収納できるタイプである。

長所:
①製造にコストがかからないため安価

②使用しないときは折りたたんでコンパクトに収納することができる。また軽いので移動もしやすい。

短所:
負荷を作り出す部分の大きさを確保できないため、負荷を大きくすることができない。

一般的に市販されているエアロバイクの中では最も安価なタイプである。
また折りたたんで、使用していないときにはコンパクトにすることができ、重量も軽いので移動もしやすいというまさに家庭でのライトユーザー向けのエアロバイクである。

TIGORA TR FB003-XBを畳んで運んでいるところ

欠点としてペダルの重みを作り出すマグネット部分を大きくできないので、負荷を大きくすることができないことが挙げられる。最大の負荷にしてもあまり強くできないため、強度の強いトレーニングにはまるっきり不向きである。
とはいえ、ダイエットといった用途に使うのであれば、低負荷で充分なのでこのタイプはおすすめできる。

Xバイクお勧めの機種

ティゴラはスポーツ用品小売最大手のアルペンの独自商品ブランドである。アルペンが売っているということで、信頼性は折り紙付きといっていいだろう。
造りは店頭で見てもらえば分かる通りチープなかんじではあるが、1万円という価格を考えればコストパフォーマンスは非常に高い。
選択の基準だがちょっと真面目にトレーニングしたいのであれば、大広のDK-662Hをお勧めしたい。

コンフォートバイク

この呼称はアルインコ社独自の命名であるのだが、Xバイクに背もたれと持ち手をつけて、リカベントタイプのように楽な姿勢で運動できるようにしたものだ。

長所:
①楽な姿勢で運動をすることができる
②製造にコストがかからないため安価
②使用しないときは折りたたんでコンパクトに収納することができる。また軽いので移動もしやすい。

短所:
負荷を作り出す部分の大きさを確保できないため、負荷を大きくすることができない。

家庭用で使うには非常に良い選択肢だと思うのだ。収納もしやすくかつ楽に運動できるというメリットがある。またXバイクと同様に価格も安い。

コンフォートバイクお勧めの機種

残念ながら国産メーカーにはコンフォートバイクで60分使用できる機種がない。
そこで、中国製の機種を紹介するのだが、このBTMはかなりの数日本国内でも売れており、またAmazonで買えば何かあっても返品に応じてもらえるので大きな心配はいらない。

開く角度を調整できるようになっており、角度を大きく開くとリカベントタイプに近い楽な乗車姿勢をとることができるのが特徴である。

ミニタイプ

机やテーブルの下に置いて使う簡易版である。一般的にはエアロバイクには含まないが、用途としては同じものなのでここではエアロバイクの一種として紹介している。

長所:
①普段座っている机や椅子に座って楽な姿勢で運動できる
②机などの下に置いておけば他のことをやりながら気軽に運動できる
②製造にコストがかからないため非常に安価
②サイズが非常にコンパクト

短所:
負荷を作り出す部分の大きさを確保できないため、負荷を大きくすることができない。

ながら運動のためには最も良い選択肢だと思う。
わざわざエアロバイクに座らなくても、机の下においておけば仕事しながらなどでも運動できるわけである。ちょっとした気分転換などにもいいだろう。
わざわざエアロバイクに座るのが面倒という億劫さがないというのが最大のメリットといえる。

ミニバイクお勧めの機種

Amazon限定のウルトラスポーツのミニバイクはレビューの評判として「負荷が小さすぎて物足りない」という意見が非常に多い。値段も値段だし、そもそもこの種の製品に運動としての負荷を求めてはいけないのである。
机に座りながら歩くような運動ができるというレベルの負荷にしかならないが、これは仕方がないものである。あと、この記事中で唯一30分しか使えない機種なのでご注意を。

大広のDK003Bは電動でペダルが回るタイプで、速度を調整することで運動強度を変えるタイプ。60分使えるので値段を考えなければこちらをお勧めしたい。

まとめ

エアロバイクの種類とそれぞれのおすすめ機種をまとめてみた。
もし、もっとこんなことが知りたいといったことがあれば是非コメントでお寄せいただきたい。

あと下記もエアロバイク(スピンバイク)について参考になるかも知れない。

エアロバイクを購入するべきか?買うならどのエアロバイクを買えばいいのか エアロバイクのメーカーの特徴 エアロバイクを買ったらついでに買うといいかもしれないものについて エアロバイクを使ったトレーニング法 エアロバイクをクラウドにつないでトレーニングする方法(IoT化)

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