激安スピンバイク「HG-YX-5006」長期使用レビュー これは買いだ!

HG-YX-5006「スピンバイク」とはエアロバイクの一種で、室内で自転車のように乗るトレーニング器具であるエアロバイクという言葉はコンビ社の商標なので実際はフィットネスバイクというのが正しいらしい。
「スピニングバイク」「スピナーバイク」と呼ばれることもある。一般的なエアロバイクに比べると、より高強度のトレーニングに耐えるとされているものである。

実は仕事が忙しくなって平日だけ会社の徒歩圏内にワンルームを借りて単身赴任になったのだ。
それまでは会社から帰ってきたら、自宅で毎日ローラー台(室内で自転車に乗るための器具)に乗っていたのだが、平日は全く自転車に乗れなくなってしまったのである。

仕方がないので、毎朝フィットネスクラブに通ってエアロバイクに乗るようにした。

で、結局は3ヶ月程通ったのだが(よく毎日飽きずに通ったものだ)、エアロバイクしか乗らないなら月謝ももったいないし、フィットネスクラブまでの往復の時間があったらもっと寝ていたいと思い、思い切ってスピンバイクを購入したのである。

家で乗るとなると普通はエアロバイクが静粛性が高いので第一選択肢なのだけど、家庭用の安価なエアロバイクには自転車トレーニングで使うにあたっての2つの重大な欠点がある。

  1. 30分以上連続して使用することができない
    負荷をかける部分が発熱するため、長時間の連続運転を行うと早く劣化してしまうためである。
  2. ポジションがロードバイクとあまりにも違う
    ロードバイクで必要な筋肉と違う筋肉を鍛えてしまうかもしれない。

特に1の欠点は致命的で、LSDといったトレーニングには全く役立たないのだ。
あと、廉価な機材の場合は、高強度インターバルトレーニングといった負荷が必要となるトレーニングに使ったら、壊れることも懸念された。

スピンバイクとはなんじゃい?

スピンバイクはエアロバイクに似ているが、車輪の機構が全くことなるトレーニング機器である。
エアロバイクは低強度の有酸素運動によってダイエットすることが主な使用用途だが、スピンバイクはもっとガチでトレーニングをするためのものだ。
インターバルトレーニングといった無酸素運動や筋肉強化なども可能だ。

エアロバイクとスピンバイクの違いはこうだ。

  1. フリー機構の有無
    スピンバイクにはフリー機構がない。フリー機構とはペダルを回すのを止めたときにタイヤが空回りする仕組みである。
    普通の自転車やエアロバイクにはフリー機構があるため、足を止めても慣性でタイヤが回り続ける。
    しかしスピンバイクにはこれがない。幼児用の自転車と同じような感じである。
  2. スピンバイクは車輪の重量が重い
    高級機になると車輪に相当するホイールだけで20kgぐらいあったりする。私の買ったものは8kg程。
    フリー機構がないのでいきなり足を止めると、慣性で無理やり足を回されて危険だといわれている。まあ、乗ってみるとわかるがいきなり足を止めるなんてことはできないので問題はない。
  3. 負荷のかけ方が異なる
    エアロバイクの場合は磁力によって負荷をかける機種が多いが、スピンバイクはフエルト生地を押し付ける際に生じる摩擦力で負荷をかける機種が多い。
  4. ロードバイクのトレーニングとしていい
    ポジションがロードバイクに近い。そのためロードバイクに必要な筋肉を鍛えることができるといわれている。ピストバイクはフリー機構がないためにペダリングが上達しやすいといわれているが、その意味でペダリングスキルの向上といったことが期待できる。
    こんな翻訳記事もあった。
    ペダリング技術の向上で実力は上がる?

で、私が買ったのはこれの旧バージョン。

現バージョンは消費税・送料込で23,800円という安さ。サドルが前後にスライドする改良が施されていて、しかも値下がりしている。

こちらは実際のユーザーの方が使っている説明動画である。
※自分で動画作りたかったのだが、もう人にあげてしまったので作れない。残念。

ちなみにスピンバイクで家庭用に分類されるような機種でも高いものになると30万円を超えるものもある。

スピンバイクを買う前に懸念した点、そして実際はどうだったか

さて、思えば私の人生は安物買いの銭失いの連続であった。なので、本当にこんな安物を買って大丈夫なのだろうか?と不安になるのである。これを買うにあたって不安なことが6つもあった。

  1. 集合住宅なので騒音がでないか?
    これが一番問題である。レビューでは静かだと書いてあったが本当か?
  2. 組み立てられるか?
  3. 重量が重いので、宅急便で届いたあとにちゃんと部屋の中に運び込めるか?
  4. ペダルを回す感触、負荷の自然さはどうか?
    あまりにも不自然だったり、軽すぎる、重すぎる、あるいはスピンバイク固有の慣性によって足を痛めたりしないか不安だった。
  5. 全力で漕いだりした時の安定性に問題はないか?
    必死に漕いだときにグラグラしたら使い物にならない。
  6. 耐久性は大丈夫か?
    すぐ壊れて安物買いの銭失いという事態は避けたい。

このうちの一つでもNGであれば、始末におえない粗大ごみになってしまう。
できることであれば、どこかのスポーツ用品店などで試乗してから買いたかったのだが、あっちこっち行ってみたもののスピンバイクが並んでいる店はなかった。

もう、思い切って買うしかない・・・。と賭けに出たのだ。

で、実際に試した結論である。

  1. 非常に静かだった。
    スピンバイクのフエルトによる負荷装置
    負荷をかけるのはこの部分。フエルトを車輪に押し当てることで負荷が発生する。上部のノブを回転させて押し当てる圧力を変えてペダルの重みを変化させる。
    フエルト部分がこすれて「シューーーー」と少し音がするのだが、この音以外はほぼ無音だ。
    原始的な機構だが高級機でも同じ仕組。フエルトがすり減ったりとか発火したりという心配はない。まあ、フエルトは消耗品なのでスペアも買っておいたが、スペアに替えるのはだいぶ先になりそうだ。
    ちなみに私が買ったスピンバイクは、動力の伝達方法がゴムのベルトなのでとても静かなのだが、機種によっては自転車と同じようにチェーンだったりもする。静粛性を考えるならチェーン式は避けた方がよいらしい。
  2. 組み立ては簡単だった。
    10分ぐらいで終わってしまう。ネジ止めはわずか4箇所。あとは差し込んでひねるだけである。
    HG-YX-5006組立説明書
    この説明の1.2.だけがちょっと面倒っていえば面倒だが、ただ差し込んでネジを回すだけである。支えるのにちょっと力がいるがどうってことはない。
    カラーボックスを組み立てられる人であれば全然問題ない難易度だ。
    以前、北欧の有名大手家具店で組み立て家具を買ったときに、タボを差し込む穴が開いておらず電動ドリルで開けたこともあって、このように欠陥があったらどうしようという心配もあったのだが杞憂だった。
  3. 運搬は確かに大変
    特に梱包された状態ではダンボールがむちゃくちゃ大きく大変である。そして組み立て終わったあとでダンボールと発表スチロールの始末が大変だった。
    巨大な段ボール
    この段ボールの始末については途方に暮れそうであった。
    まあ、でも上位機種にしなくてよかった感じ。これよりさらに重たかったら箱から取り出すのがすごく大変だったと思う。
  4. ペダルを回す感触、負荷は実にいい感じである。
    道路を実際に自転車で走っているときのような実走感はない。しかし、フィットネスクラブで乗っていた100万円以上はするであろう、エアロバイクより私的にははるかに良いと感じた。負荷が無段階で細かく変えられる。
    重たい車輪を回して徐々に加速していく感じが気持ちがいい。是非、一度体験してみてほしいものだ。
  5. 全力で漕いだりした時の安定性に問題はないか?
    このスピンバイクを作っているハイガー産業は、HG-YX-5001という上位機種も製造している。
    こちらは25cm全長が長い。安定性を考えてこちらにすることもかなり考えたのだ。値段と、重量と、部屋の狭さを総合的に考え、安いほうにしたのだ。安いほうを選んで懸念されたことは、必死に漕いだときにグラグラしたらどうしようということだった。それだと使い物にならない。
    でもそれはいらぬ悩みであったようだ。立ち漕ぎしたりしても全然問題ない。すごい安定感。とはいえ、せいぜい頑張って一瞬600Wを出すのが精いっぱいのド貧脚なので安定しているのかもしれない。1000Wとか出して必死にもがいたりしても大丈夫かは分かりません。すいませぬ。
    ちなみに後日、HG-YX-5001とHG-YX-5006の比較記事をアップしたので、是非参考にして欲しいとおもうのである。
  6. 耐久性も問題ないと思われる。
    構造が非常にシンプルで「壊れる場所がない」という感じだ。
    これについては数年以上の経過を見る必要があるかも知れないが問題ないと思う。
HG-YX-5001 Ver.2

さて、本題。

各部の色々な感想について

サドルについて

まずサドルがこんな感じ。

スピンバイクのサドルを裏から見た図

ホチキス止めなのが泣かせる・・・。
乗り心地は悪いとはいえないが、よいともいえない。
まあ、値段なりである。ママチャリと同じような値段だし。むしろ頑張ってコストダウンしたことに敬意を表したい。
自分の場合はサドルは全く問題視していないのでノープロブレムである。何故問題視していないのかというと、まったくお尻が痛くならない新兵器があるからである。

ズボンが傷まない、テカらない乗り心地がいいNASAの博士発明のサドルカバー
ズボンが傷まない、テカらない乗り心地がいいNASAの博士発明のサドルカバー

これである。なんだかキャッチフレーズはメチャメチャうさん臭い。

実際に使ってみるとペラッペラである。こんなもんでお尻の痛みが軽減されるのか?
って信じられない代物である。
しかし、効果はバツグンだ。

私の息子は毎日片道12kmをクロスバイクに乗って高校まで通学していていた。
それでお尻が痛くて仕方がないといわれたのでこれを買ったのだ。
最初このサドルカバーを見せたときに、あからさまに彼は落胆していた。

もっとフカフカのカバーがもらえるんじゃなかったの?なんだよこんな安っぽいもの買いやがってこのケチンボという表情であった。
しかし、このカバーのAmazonの評価は素晴らしかったので買ったのだ。安かったせいではないのである。

で、息子であるが、

「これすごいよ!全然痛くならない!」

といっていた。
これをかぶせてやれば全然問題ないと考えていたのだ。
実際にこれをかぶせて1時間乗ってみたがまったく問題なし。快適そのものだった。

この機会に一緒に買うことを推奨するのである。

私はある程度自転車に乗り慣れているので、これをかぶせなくても別に痛くなったりはしない。
まあ、自転車経験がない人には一緒に買うことを推奨といっておくことにしよう。

※2016年3月追記

マイナーチェンジがあってサドルは変更になった。

スプリングによるクッションがついている。
おそらくママチャリのサドル程度に快適のように思われる(あくまで想像であるが)。

とはいえ、ママチャリのサドルとはけた違いにお値段が高いロードバイクのサドルを使っていても、痛くなる時は痛くなるので必要になったらサドルカバーを買うことをお勧めしたい。

ポジションの調整について

サドルやハンドル部分は穴が6個ほど空いている。いうなれば高さ6段階調整である。とはいえこれで競技を行うわけではないので問題にはならんだろう。私はちなみに身長171cmであるが、ぜんぜん問題ない。
前述の高級版はサドルの前後調整がついているので調整の点ではよさそうだ。

でもしょせんは実走しないので、ポジションにきっちりこだわる必要もないかなというのが私の考え。
そして、超へっぽこ自転車乗りなのでそんなことはこだわりません。

次に語ってみたいのがペダル

スピンバイクに使われていた汎用の自転車べダル

室内で使うものなのだが安全のための反射板がついている。
恐らくは、ママチャリに使う汎用のペダルというわけだ。汎用であることはいいことだ。あとでペダルを変えたりもできるということだからだ。

そしてトゥークリップがついている。これは結構重要なことだ。つま先が固定されるので正しく踏める。そして足の裏にギザギザがあるので位置がずれないのもまあまあいい。引き足のトレーニングなども可能っていえば可能だと思われる。まあ、本当に引き足のトレーニングをしたいならビンディングペダルに替えるべきだろうが・・・。

ペダルについては実際に交換してみた。Amazonのレビューで評判の良かった「MKSアイシーライト」に替える実験をしたので、興味のある方はご覧いただきたい。
激安スピンバイク「HG-YX-5006」のペダルをMKSアイシーライトに替えてみた

付属のサイクルコンピューターについて

これは非常に微妙なしろもの。

HGーYX-5006のサイクルコンピューター

速度、距離、カロリーは完全に意味不明である。
とはいえ、これはこのスピンバイクに限った話ではなく高級なエアロバイクであったとしても同じだ。
トレーニング時間はまあ役に立つ。まあ、私としてはこれは不要なのですぐに使わなくなったので取り外した。

高性能なメーターに変えたほうが圧倒的にトレーニングでの指標がつかみやすい。
ということで、スマホは超高性能なメーターとして使えるので、スマホに取り替えることをお勧め。

接続方法はこちらの記事に詳しく書いたのでご参考までに

トレーニングしてみた感想

これを買って実際に2ヶ月使ってみた。
その感想としては、

「大満足」

という言葉に集約される。
素晴らしいトレーニングアイテムだと思う。

私はこれに毎朝出勤前に1時間ちょっと乗るのだが(30分のテレビ番組の録画を3本見るとこの時間になる)、腕や額から汗が滴り落ちて両腕の下に水たまりができる。
体重を測るとトレーニング後は約1kg近く減る。すごい発汗量だ。サウナスーツかっていうぐらいである。

筋トレ的な使い方もできるしそこも実に良い感じだ。これは固定ローラーにトレーニングの意味あいは近いかもしれない。

固定ローラーの場合は、負荷をかける部分がやけどする程発熱するが、スピンバイクの場合は車輪の外側の部分の金属部分が発熱する。触ってもやけどするという温度にはならず恐らくは40度ぐらいではないかと思われる。そういう意味で安全。

固定ローラーの方がいいのかも知れないが、タイヤも減るし、騒音が出るので、家の中で騒音を出すわけにはいかないという環境であればとてもよいアイテムだ。

トレーニングの効果であるが、実際にいつも登っている筑波山にある不動峠のタイムを計ってみた。
恥ずかしくて書けないようなタイムなのだが、この2か月で劇的な進歩である。元々ど素人でハチャメチャな貧脚なので伸びしろがあるのは当たり前なのだが、5分もタイムが縮まった(ってどんだけ遅かったんだよ!)。

購入を迷っている方がいたら買うことをお勧めするのである。
とはいえ、飽きてしまうという可能性は否定できないのでそこだけはご注意をなのだ。

使用して10か月後の感想

使用して10ヶ月経過した。

いまだに飽きずに毎日乗っているし、壊れる気配は全くない。
毎日愛用しているといって過言ではない。

タバタ式トレーニングといった高負荷のトレーニングにも楽々耐える堅牢さには本当にほれぼれとする。

ちなみに大和ジムというボクシングジムでもこの上位機種のHG-YX-5001が使われているらしい。プロの使用に耐えるヘビーデューティーさ。素晴らしい。

こちらである。
私が使っていたのはこちらのHG-YX-5006である。

あと下記の記事もスピンバイクについて書いているので参考になるかも知れない。

スピンバイクを購入するべきか?買うならどのスピンバイクを買えばいいのか

スピンバイクを買ったらついでに買うといいかもしれないものについて

スピンバイクを使ったトレーニング法

コメント

  1. いじじ より:

    自分もスピンバイクの購入を考えているのですが、
    ペダルは交換できましたか?

  2. おが より:

    他社のスピンバイクの話ですが、ペダルの位置がロードバイクのペダル位置より数センチ外側へ離れていて、こいでてとても違和感がありました。ハイガー社のスピンバイクはどうでしょうか?

    • chari より:

      Qファクターの問題は仕方がないと思います。ハイガーもリーディングエッジもQファクターは20cmと広いです。
      もっと外側への広がりの少ないクランクなども探しており、少しでも問題を解決できる情報を提供できないか?と考えてはいるのですが、見つからないのが現状です。
      ロードと同じぐらいのQファクターが必要であれば、検討をしている機種のメーカーに問い合わせるしかないかもしれません。

      でも、私はここはそれほど問題ではないと思ってます。

      遅咲きのトッププロである西加南子氏は、フィットネスクラブに行ってエアロバイクに乗るそうです。
      ポジションも全く違うので、全く別物として割り切って乗っていると書いていました。

      スピンバイクのいいところは心肺能力が鍛えられること、筋力トレーニングにもなること、高ケイデンスに耐える足腰とペダリングが身につくことだと思います。
      そういう意味で割り切って乗るのがよろしいのではないか?と考える次第です。

  3. 田中 より:

    別モデルのHG-YX-5001を購入したのですが、強く漕ぐと重みが抜けて空回りしてしまうのですが、そういう事は無かったですか?
    商品の精度に個体差があるのでしょうか?
    ベルト駆動の構造はまだ見てないのですが、自力で直せるものなのでしょうか?
    しかもシャリシャリベルトが何処かに当たる音がしますし。
    このままだとタバタのしようが全くない使えないゴミです。

    • chari より:

      それはおそらくは不良品なのではないか?と思います。ハイガー産業に連絡して対応してもらうのがよろしいかと思います。
      どうやら、ちゃんと対応しているようなので。

  4. chocolat より:

    chariさん、貴殿の記事参考にしていまさっきスピンバイク注文しました〜 
    HAIGEのYX-5007です。楽しみです!
    20年前はトライアスロンでたり、結構一生懸命走ったりしたんですが、還暦を前に今一度、腐った足にカツを入れてみようと思っております。(笑)

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