スマートローラーとはそもそもなんぞ?
EliteのQUBO DIGITAL SMART B+というスマートローラーを買ったのである。
スマートローラーとは一言でいうと、パソコンやスマホにつないで、負荷のコントロールができたり、負荷の読み取りができるローラー台のことだ。
ZWIFTといったゲームアプリで使うと、他の人とバーチャルなコースで競争したりといったことに使える。
まことにまことに楽しい、それはそれは楽しい、自転車乗りにとっての魔法のようなアイテムである(とまでいうといいすぎかもしれないが、それくらい楽しいアイテムだ)。詳しくは「最安値スマートローラーELITE QUBO DIGITAL SMART B+は使えるか?」をご覧いただきたい。
スマートローラーでは最安値。
ちなみにこのリンク先が少々ややこしく、「キューボ デジタル サイクルトレーナー」をお選びいただきたい。上記の写真と同じものである。似たような商品で、キューボ パワースマート B+はパソコンやスマホにつなぐことはできるが、負荷のコントロールはできないのでお気を付けくだされ。
スマートローラーはパワー計測ができてパワーメーターより安い
QUBO DIGITAL SMART B+というスマートローラーであるが、これを使用するとパワーの計測ができるのだ。
パワーを測るだけのパワーメーターという機材がある。実用にたえる機材で最も安価なStages Power Meterでも7万円前後はする。
それを考えると、EliteのQUBO DIGITAL SMART B+はパワーが測れるのにローラー台がついてずっと安いのだ。家の中でしかパワー計測ができないにしても4万円前後で買えるのだからめちゃめちゃ買い得である。普通のローラー台とそれほど変わらない値段だ。
で、ZWIFTといったゲームアプリでは、パワーを基にして速度を算出している。
パワーがあれば早いしなければ遅いのだ。要は、
「パワーの強さを競う」
のである。
通常のスマートローラーではないローラー台を使った場合は、ZWIFTが計算によりパワーを算出して表示される。
スマートローラーを使った場合は、ローラー台が送信するパワーが表示される。
私はEliteのQUBO DIGITAL SMART B+を買うまでは3本ローラーを使ってZWIFTをプレイしていた。
しかし、3本ローラーはZWIFTで正確なパワーの算出ができないため非推奨となっている。
時折区間賞を取ったりしていて、
「実は結構俺ってイケてるんじゃね?」
とまあ、楽しんではいたものの、正確なパワーではないのでやはり素直に喜ぶことができない。そこで、ZWIFTで推奨されている機種の一つであるQUBO DIGITAL SMART B+を買ったときは大いに期待が盛り上がったのである。
「これでどうどうと真っ向勝負できる!」
という期待である。
QUBO DIGITAL SMART B+のパワー計測の精度
実際にQUBO DIGITAL SMART B+を使ってプレイしてみたところ、区間賞を獲ったりもしたし3本ローラーとあまり変わらなかった。
その人の持っているパワーを客観視する指標であるFTPを測定したところ224W、FTPを体重で割ったPWRでは3.92W/kgという数字が出た。
つよポタミア様のホビーレーサーの剛脚ピラミッドより引用します。
これでいけば、3.92W/kgは良脚の最上位のあたり、全体では上位7%程度に位置すると推測される。
「毎日スピンバイクかローラー台に乗っているし、やっぱり努力は裏切らないってことかな、ふふふふ」
と思ったのである。しかし、その後つくばサーキットで行われた筑波秋の8耐に参加したところまったくついていけなかった。
普段からまったくトレーニングしていないわがチームのメンバーよりも遅かったのである。室内でしか乗っていないから慣れていないというのはあるが、いくらなんでも遅すぎるだろう・・・。
ZWIFTではスマートローラーとパワーメーターを使っている人ではコースを分けた方がいいという議論があるらしい。
スマートローラーはパワーが高く表示されるので有利になるため、フェアな勝負にならないということだ。
となると、実際はこれよりも遅いはずなのだ。ではどれくらい遅いのだろう。
実際にパワーメーター(PowerTap)と比較してみた
やっぱりそれが知りたくて、ついにパワーメーターを買ってしまいました!
正確さでは定評のあるパワータップである。まあ、ちなみに中古だが、中古の場合だと楽天で買うのがお勧め、自分は楽天で買った。ポイントがつくのでお得である。
パワータップは正確さには定評があるものの、ハブでパワーを計測するするためホイールを複数所有している場合には結構困ったことになる。そのせいでリセールバリューが低いのか、中古品だとかなり安く出回っている。5万円ぐらいでホイール込みのものが時々ある。
わたしはマビックのホイールがついたものを5万円ぐらいで購入した。
同じものがヤフオクでも出回っているときはおなじ店舗が出品しており、一見するとヤフオクが安く見えるがヤフオクは税抜きなので注意である。楽天で買った方がポイントの分だけ得だ。
さて、パワータップを買ってプレイしてみる。
「うううううう、進まない・・・・、なんじゃこりゃぁ!!」
ZWIFTの画面を見ながらプレイしていると体がすごく重たくなったように感じる。
いつもと同じようにペダルを回しているつもりなのだがとにかく進まない。これくらい頑張ればこれくらい進むというイメージが頭の中にあるのだが、それとあまりにもかけ離れてしまう。こいでもこいでもとにかく進まないのである。鉛の靴を履いているような気分だ。まあ、鉛の靴なんて見たことないけど。
ZWIFTにはFTP測定のWorkoutがあるのでパワータップでやってみたら
なんと驚くことに、たったの138Wであった!
(もちろんパワータップの校正は行いましたよ)PWRは2.42W/kgで一番低レベルの「貧脚」である。この差1.50W/kgだ。誤差なんていうレベルではない。私の買ったパワータップが正しいとするならば、QUBO DIGITAL SMART B+の誤差は実に38.2%だ。
でも、FTPはその時の体調によって変化するのでもっと厳密なテストを試みることにした。
QUBO DIGITAL SMART B+とパワータップで同時に測定して誤差を測るのだ。
どうやって同時に測るか?であるが、ガーミンが2台あれば簡単だ。
片方をQUBO DIGITAL SMART B+とペアリングし、もう片方をパワータップとペアリングして、あとでGarmin Connectで比較すればいいわけだ。
実際に比較してみた結果!
上がパワータップ、下がQUBO DIGITAL SMART B+だ。
一目瞭然だ。
※クリックすると拡大します
ちなみにQUBO DIGITAL SMART B+ではウォーミングアップの緩走時に白い筋がいくつも入っているのが見える。QUBO DIGITAL SMART B+は時折ANT+の信号が受信できなくなるという現象が起きているためである。
パワータップの平均パワーはちょうど100W 、QUBO DIGITAL SMART B+は171W、その差なんと71%である。
パワーメーターはペダルに力をかけていないときはゼロになるが、QUBO DIGITAL SMART B+はタイヤが空転しているときでもパワーが出るように表示されるのが大きい。
また、QUBO DIGITAL SMART B+では、早く走っている区間ではだいたい300W出ているが、パワータップでは200Wぐらいだ。
こんなに差があるとは・・・
結論、パワーメーターは買ってはいけない
もし今、スマートローラーを使って満足しているのであれば、パワーメーターを買うとかなりがっかりすることになる可能性が高い。
トレーニングをするという意味では、スマートローラーで十分だ。過去の自分と比べてどれだけ進歩しているか?負荷をかけるための目標値を設定するといった用途に使うのであればスマートローラーが役に立つ。
客観的な競技力を知りたい人だけがパワーメーターを買うべきだと思う。
元プロロードレーサーの栗村修氏はパワーメーターは残酷だし、残酷であるべきだと語っていたが、本当にパワーメーターは残酷である。
自分はパワーメーターを買って相当モチベーションが下がり、ZWIFTをやる気力があまりなくなってしまったのである。
ローラー台については他にも色々書いているので参考になるかも知れない
ローラー台の楽しみ方・選び方
- 初めての3本ローラーの買い方・乗り方そして楽しみ方
ロードバイク初心者も3本ローラーに乗ったほうがいい理由とそして楽しみ方について - 3本ローラーに簡単に乗れるようにする方法
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見た目MINOURAののMoZ-Rollerにそっくりだが・・・ - 固定・3本ローラー台・エアロバイク・スピンバイクの騒音・価格など比べてみる
室内で自転車トレーニングをするための機材のメリットデメリットを、全て試した私が比較してみた記事 - パワーメーターとスマートローラー(QUBO DIGITAL SMART B+)のパワー計測誤差を測ってみた
安いスマートローラーのパワー計測は非常に精度が低いことを実際に計測して調べた話 - 3本ローラーにママチャリで乗ってみる
結論からいえば普通に乗れるのだが、かなり疲れるというお話
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