我が家には2台のエアロバイクがあり、ローラー台といった室内で使う自転車トレーニング器具も複数使っている。その経験からエアロバイクについては語り出したら3時間ぐらい語れるほど詳しいのである。
これまで自分で4台も購入し、フィットネスクラブでも利用してきた経験から、今回は特に「1万円台で購入でき、60分以上連続使用可能」というコスパ抜群のエアロバイクに焦点を当てて紹介したい。
エアロバイクの連続使用時間の重要性
なぜエアロバイクの連続使用時間が重要なのか
最重要ともいえるポイントであるにもかかわらず、エアロバイク選びで多くの人がまったくきにしていないのが「連続使用時間」だ。家庭用エアロバイクの多くは、30分という使用時間制限が設けられている。
しかし、この30分という時間はトレーニングとしては中途半端で、効果を最大化するには足りない場合が多い。
価格の安いエアロバイクほど連続使用時間が短い傾向があり、安価な製品だと30分が標準となっている。
しかし、本記事で紹介する厳選の6機種はすべて60分以上の連続使用が可能という、実用性抜群のモデルを選定したので是非参考にしていただきたい。
60分以上連続使用のメリット
長時間のエアロバイク使用には、以下のような重要なメリットがある。
1.脂肪燃焼効率が最大になる時間(20分以上)を確保できる
運動開始から約20分間は、主に筋肉や肝臓に蓄えられたグリコーゲンがエネルギー源として使われる。その後、グリコーゲンが枯渇し始めると、エネルギー源が脂肪へとシフトしていく。つまり、20分以降が本格的な脂肪燃焼タイムなのである。
運動や活動には、実施時間や回数の目安がありますが、心身の状態に合わせて“楽である~ややきつい”の範囲内で行って下さい。運動や活動は20分以上行うことが良いと考えられています。運動や活動は連続して20分以上、最大1時間程度を目安に実施して下さい。
引用:ホリデイスポーツクラブ
30分しか使えないエアロバイクでは、実質的に10分程度しか「脂肪燃焼モード」の時間が確保できないのだ。
2.1回60分の運動と2回30分の運動の効率比較
「30分を2回に分ければ同じじゃないか」と思う方もいるかもしれない。しかし、脂肪燃焼のメカニズムを考えると、1回の60分運動のほうが圧倒的に効率的なのだ。
2回30分の場合
- グリコーゲンが主に使われる:2回×20分=40分
- 脂肪が主に使われる:2回×10分=20分
1回60分の場合
- グリコーゲンが主に使われる:1回×20分=20分
- 脂肪が主に使われる:40分
1回の60分運動では、脂肪燃焼がメインの時間が2倍になるのである。
実際のところ、短時間の運動でも脂肪は燃焼するのだが、効率よくダイエットするなら、長時間連続して運動するのがベストなのだ。
3.テレビ番組や動画を1本見切れるという「ながら運動」の継続性
エアロバイクの魅力は「ながら運動」ができることだ。しかし、30分では標準的なテレビドラマ(約45分)やアニメ2話分(約44分)を見切ることができない。私の場合、Amazonプライム・ビデオのアニメを見ながら乗ることが多いが、続きが気になって自然と60分以上乗ることもしばしばある。
この「続きが見たいから乗る」というモチベーションが、エアロバイクを長続きさせる秘訣なのだ。鬼滅の刃、進撃の巨人、ゴールデンカムイとかみていたときはアニメの続きを見たくて、2時間近くエアロバイクに乗った日もある」というのが私の経験である。
もっとくわしく知りたい方はこちらの記事を参照である。
1万円台で手に入る高コスパ長時間使用モデルの魅力
高額なエアロバイク(3万円以上)と比較しても、1万円台の60分使用可能モデルは基本性能において遜色ない場合が多い。
実際に高いモデルだと以下のような機能が追加されるが、ダイエットや健康維持という目的においては必須ではない。
- コンピューター制御による自動トレーニングプログラム
- IoT連携機能
- 電子制御による精密な負荷調整
- より洗練されたデザイン
基本的な運動効果を求めるなら、1万円台の機種でも十分に目的を達成できるのである。
1万円台で60分以上連続使用できるエアロバイクの選び方
連続使用時間について
家庭用エアロバイクの多くは、マグネット式の負荷システムを採用している。このシステムは、使用時間が長くなると磁石が加熱し、磁力の低下や最悪の場合は破損につながる可能性がある。そのため、多くの製品の取扱説明書には「連続使用30分まで」と記載されているのだ。
本記事で紹介する機種はすべて60分以上の使用に耐える設計となっている。中にはROOMFITのように180分という驚異的な連続使用時間を誇る製品もある。
体格対応と調整機能
体格については、身長が大きい方は「ペダルを下に踏み込んだときに膝が伸び切らない」という問題があるものの、実用上はさほど支障をきたすものではない。
むしろ問題となるのは身長が小さい場合で、足がペダルに届かないというケースだ。今回紹介している機種は適応身長が「不明」のものが多いのだが、成人であれば大抵対応できる設計になっている。
サドルの高さ調整ができる機種や前後位置の調整が可能なモデルを選ぶと、より自分の体格に合わせやすくなるだろう。
家族で共用する場合や、ダイエット目的で使用する場合は、十分な耐荷重性能を持つ機種を選ぶことが重要である。
設置スペースと収納性
多くの人がエアロバイク購入をためらう理由の一つが「置き場所の問題」だ。
今回紹介する6機種のうち5機種は折りたたみ機能を備えており、使わないときはコンパクトに収納できる。さらにROOMFITは机やテーブルの下に置いて使えるという独自のコンセプトで、省スペース性能では群を抜いている。
「また運動器具を部屋に広げて…」と家族から邪険にされがちな人にもおすすめである。
1万円台のエアロバイク6機種を徹底解説
各機種の比較表は以下の通りである。
No | | メーカー | 型番 | ①ダイエット | ②リハビリなど | ③競技力UP | Amazon ページ | 実売価格 (税込み) | 乗車姿勢タイプ | 連続使用時間 | 適応身長 | 椅子前後調整 | 最大体重 | 負荷方式 | 負荷調整 | ホイールカバー | ペダルタイプ | スマホ置き | 心拍計測 | 電源 | パワー計測 | トレーニングプログラム | 折りたたみ | 備考 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | ![]() | コンパクトな家庭用 | TIGORA | TR FB003-XB | ◯ | リンク | ¥11,990 | アップライト | 60 | 不明 | ✕ | 90kg | マグネット式 | 8段階 | ◯ | フラット | ◯ | ✕ | 不要 | ✕ | ✕ | ◯ | |||
2 | ![]() | コンパクトな家庭用 | BARWING | 型番なし | 〇 | 〇 | リンク | ¥14,800 | アップライト | 120 | 不明 | ✕ | 150㎏ | マグネット式 | 16段階 | 〇 | フラット | 〇 | 〇 | 不要 | ✕ | ✕ | 〇 | ||
3 | ![]() | コンパクトな家庭用 | BTM | 型番なし | ◯ | ◯ | リンク | ¥18,580 | アップライト・ リカベント中間タイプ | 60 | 不明 | ✕ | 120kg | マグネット式(推定) | 10 段階 | ◯ | フラット | ◯ | ✕ | 不要 | ✕ | ✕ | ◯ | ||
4 | ![]() | コンパクトな家庭用 | ROOMFIT | ROOMBIKE | 〇 | 〇 | リンク | ¥18,900 | アップライト・ リカベント中間タイプ | 180 | 不明 | ✕ | 100㎏ | マグネット式(推定) | 8段階 | 〇 | フラット | ✕ | ✕ | 不要 | ✕ | ✕ | ✕ | ||
5 | ![]() | コンパクトな家庭用 | DAIKOU | DK-662H | ◯ | ◯ | リンク | ¥19,580 | アップライト・ リカベント中間タイプ | 60 | 150~190cm | ✕ | 110kg | マグネット式(推定) | 8段階 | ◯ | フラット | ◯ | ◯ | 不要 | ✕ | ✕ | ◯ | ||
6 | ![]() | コンパクトな家庭用 | TIGORA | TR FB004-YG | ◯ | ◯ | リンク | ¥18,990 | アップライト・ リカベント中間タイプ | 60 | 不明 | 〇 | 100㎏ | マグネット式 | 8段階 | 〇 | フラット | 〇 | 〇 | 不要 | ✕ | ✕ | 〇 |
①TIGORA TR FB003-XB – 最安値モデル
※青文字の項目名はタップすると説明が表示されます
乗車姿勢タイプ | アップライト |
連続使用時間 | 60分 |
適応身長 | 不明 |
椅子前後調整 | ✕ |
最大体重 | 90kg |
負荷方式 | マグネット式 |
負荷調整 | 8段階 |
ホイールカバー | ◯ |
ペダルタイプ | フラット |
スマホ置き | ◯ |
心拍計測 | ✕ |
電源 | 不要 |
パワー計測 | ✕ |
トレーニングプログラム | ✕ |
その他特徴 | 折りたたみ可能 |
アルペンの自社ブランドTIGORAの製品で、60分連続使用可能なエアロバイクとしては最安値の¥11,990という価格が魅力だ。
コンパクトに折りたためて、重量もわずか12kgと軽量なので、女性でも持ち運びが簡単だ。
さらに子供でも乗れる身長の適応範囲の広さがある。実際にアルペンの売場では子供が乗っているのをみたこともある。大人が乗っても当然問題ない。
負荷は8段階だが、最も重くしてもそれほど強くないので、ガチのトレーニング用途には不向きだ。でも、ダイエット用途なら長時間ペダルをこぎ続けることが重要なので、この程度の負荷でも十分効果的だ。
②BARWING(機種名なし)- 長時間使用向け
※青文字の項目名はタップすると説明が表示されます
乗車姿勢タイプ | アップライト |
連続使用時間 | 120分 |
適応身長 | 不明 |
椅子前後調整 | ✕ |
最大体重 | 150kg |
負荷方式 | マグネット式 |
負荷調整 | 16段階 |
ホイールカバー | ◯ |
ペダルタイプ | フラット |
スマホ置き | 〇 |
心拍計測 | 〇 |
電源 | 不要 |
パワー計測 | ✕ |
トレーニングプログラム | ✕ |
その他特徴 | 折り畳み可能 |
BARWINGは、トレーニング機器メーカーとして様々な製品を出しているが、このエアロバイクの最大の特徴は連続2時間の使用が可能という点だ。多くのエアロバイクが30分制限のなか、これは驚異的な耐久性だ。
実際のユーザーからは「深夜でも使用できるほど静音」「ペダルがスムーズで心拍数も測れる」という高評価が多い。長めのドラマや映画を見ながらトレーニングしたい人におすすめだ。
③BTM(機種名なし)- 高齢者、腰痛のある人、リハビリなどに
※青文字の項目名はタップすると説明が表示されます
乗車姿勢タイプ | アップライト・リカベント中間タイプ |
連続使用時間 | 60分 |
適応身長 | 不明 |
椅子前後調整 | ✕ |
最大体重 | 120kg |
負荷方式 | マグネット式(推定) |
負荷調整 | 10段階 |
ホイールカバー | ◯ |
ペダルタイプ | フラット |
スマホ置き | 〇 |
心拍計測 | ✕ |
電源 | 不要 |
パワー計測 | ✕ |
トレーニングプログラム | ✕ |
その他特徴 | 折り畳み可能 |
BTMは背もたれと持ち手がついており、楽な姿勢で乗れるという特徴がある。体幹をまったく使わないで使えるのである。折りたたみも可能だ。
ユーザーレビューとしては「組み立てが簡単で、基本動作はとても静か」という評価も多い。リビングに置いても違和感ないデザインも好評である。一見すると中国製の安っぽさを感じるかもしれないが、実は多くのユーザーに選ばれているロングセラー商品だ。リハビリや高齢者、腰痛持ちの方にもおすすめできる。
④ROOMFIT ルームバイク – 超コンパクト・超長時間使用モデル
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アップライト・リカベント中間タイプ 180分 不明 ✕ 100kg マグネット式(推定) 8段階 ◯ フラット ✕ ✕ 不要 ✕ ✕ 座面やハンドルなどのない最小限の構成
ROOMFITは、180分という驚異的な連続使用が可能。さらに一般的なエアロバイクとは全く異なり、座面やハンドルを省いた構成になっている。
奥行61cm×幅45cm×高さ30cmというコンパクトサイズで、重量もわずか11kg。机やテーブルの下に設置して使うことも可能である。デスクワーク中に足を動かし続けることができる画期的な設計である。
負荷はそれほど強くできないものの、デスクワーク中の運動不足解消や、低強度の長時間運動には最適だ。大きめのフットペダルを採用しているので立ったまま漕ぐことも可能で、このような使い方であれば運動強度も比較的大きいものになる。
⑤ダイコー DK-662H – 広範囲な身長に対応・超ロングセラーモデル
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乗車姿勢タイプ | アップライト・リカベント中間タイプ |
連続使用時間 | 60分 |
適応身長 | 150cm~190cm |
椅子前後調整 | ✕ |
最大体重 | 110kg |
負荷方式 | マグネット式(推定) |
負荷調整 | 8段階 |
ホイールカバー | ◯ |
ペダルタイプ | フラット |
スマホ置き | ◯ |
心拍計測 | ◯ |
電源 | 不要 |
パワー計測 | ✕ |
トレーニングプログラム | ✕ |
その他特徴 | 折りたたみ可能 |
ルームランナーなどの室内トレーニング機器の老舗DAIKOUの製品で信頼性は折り紙付き。
私がエアロバイクについてブログを書き始めたのは2020年頃だが、その頃から売っていたモデルでありロングセラーだ。工業製品というものは発売当初は欠陥が見つかりやすいものであるが、ロングセラーはその点で安心だ。
この機種の特徴としては背もたれがあるので楽な乗車姿勢をとれること。しかし体の脇に握るグリップがないので、③のBTMや⑥のTIGORA TR FB004-YGほどには楽ではない。その分折りたたんだときに前後の出っ張りがないのでよりコンパクトではあるので一長一短である。
日本ブランドということで、サポートや故障が不安な方にお勧めである。
⑥TIGORA TR FB004-YG – 高機能バランスモデル
※青文字の項目名はタップすると説明が表示されます
乗車姿勢タイプ | アップライト・リカベント中間タイプ |
連続使用時間 | 60分 |
適応身長 | 不明 |
椅子前後調整 | 〇 |
最大体重 | 100kg |
負荷方式 | マグネット式 |
負荷調整 | 8段階 |
ホイールカバー | ◯ |
ペダルタイプ | フラット |
スマホ置き | 〇 |
心拍計測 | 〇 |
電源 | 不要 |
パワー計測 | ✕ |
トレーニングプログラム | ✕ |
その他特徴 | 折り畳み可能 |
TIGORA TR FB003-XBの上位グレードとして登場したモデルで、背もたれと椅子の脇に取っ手が追加されている。楽な姿勢でトレーニングできるので、高齢者やリハビリ中の方にも最適だ。
ユーザーからは「本格的なトレーニングには物足りない」という声もあるが、「背もたれ・サドル下ハンドルが姿勢維持に便利」「もっと早く買えばよかった」という高評価の声が多い。
コンパクトに収納できることと相まって、健康維持が目的の方には最適な選択肢といえる。
目的別おすすめエアロバイク
ダイエット目的なら
ダイエット目的でエアロバイクを選ぶ場合、長時間の低~中強度運動が可能な機種が最適である。特にBARWINGとROOMFITが以下の理由でおすすめだ。
②BARWING
BARWINGは120分という長い連続使用時間と、16段階の負荷調整により脂肪燃焼に最適な心拍ゾーン(最大心拍数の60%ぐらい)を狙ってのトレーニングがしやすい。内蔵の心拍センサーで運動強度も確認できる。
まあ、心拍センサーがなくても「できるだけ低い運動強度で、できるだけ長い時間」運動すればいいので問題ないといえる。
④ROOMFIT
ROOMFITはコンパクトなエアロバイクとしては驚異的な、180分連続使用が可能である。そのためながら運動に最適。デスクワークしながらでも長時間ペダリングできるため、スキマ時間の利用にも最適だ。
ダイエット目的では、エアロバイクの負荷はあまり重くする必要がない。むしろ、軽い負荷で長時間継続することで脂肪燃焼効果が高まるため、この機種は最適な選択肢となる。
省スペースで使いたいなら
限られたスペースで使いたいなら、TIGORA TR FB003-XBとROOMFITが特におすすめだ。
①TIGORA TR FB003-XB
TIGORA TR FB003-XBは折りたたみ時の寸法が幅約43cm×奥行約40cm×高さ約143cmと、折りたたみエアロバイクの中でも特にコンパクトである。また、12kgという軽量設計で、掃除の際の移動も簡単だ。
④ROOMFIT
ROOMFITは奥行61cm×幅45cm×高さ30cmというコンパクトなサイズで、机やテーブルの下に設置できる画期的な設計。部屋のインテリアを変えることなく設置可能で、使用していないときも邪魔にならない。
これらのコンパクトモデルは、マンションの一人暮らしや、限られたスペースしかない方に最適である。
体格を問わず家族で使いたいなら
家族での共用を考えるなら、耐荷重性能と調整機能が充実したBARWINGやダイコーDK-662Hがおすすめだ。
②BARWING
BARWINGは150kgの耐荷重があり、サドル(つまり椅子ね)の高さ調整の範囲が広い。また負荷が16段階と非常に細かく設定ができるため、体力のない方からアスリート志向の方まで広く対応できる。
⑤ダイコー DK-662H
ダイコー DK-662Hは老舗メーカーの製品で、身長150cm~190cm程度まで対応。背もたれがあるので小さなお子さんや高齢の方も安心して使用できる。
リハビリや高齢者の運動に使うなら
リハビリや高齢者の方の運動には、背もたれと握り手のある機種が安全で使いやすい。特にTIGORA TR FB004-YGとBTMがおすすめだ。
③BTM
BTMは背もたれが大きめで、ハンドル位置も握りやすく設計されている。リハビリや体力に自信のない方でも安定した姿勢で運動できる。10段階の細かな負荷調整で、体調や回復段階に合わせたトレーニングが可能。
⑥TIGORA TR FB004-YG
TIGORA TR FB004-YGは背もたれと椅子の脇に取っ手が装備されており、姿勢が安定しやすい。アルペンの自社ブランド品で安心感がある。
60分以上使えるエアロバイクの効果的な使い方
60分以上使えるエアロバイクの活用法として、目的に応じた3つのトレーニング方法を紹介する。
ひたすらのんびり乗る(ダイエット向け)
ダイエット効果を最大化したいなら、軽い負荷で長時間乗る方法が最も効果的だ。心拍数を最大心拍数の40~70%程度に保ち、テレビやアニメを見ながら60分以上継続するのがポイントである。
なぜなら、運動開始から20分ぐらいまでは筋肉や肝臓にあるグリコーゲンを主なエネルギーとして消費し、その後にグリコーゲンが尽きてから脂肪が主なエネルギー源として使われ始めるとされている。つまり、20分以降が本格的な脂肪燃焼タイムなのである。
私の場合、好きなアニメシリーズを見ながら60~90分乗ることが多い。気が付いたら1時間以上経っていたということもしばしばだ。無理なく続けられるペースで取り組むことが長期的な成功の鍵となる。
HIIT
時間効率を重視する方には、HIITがおすすめだ。
具体的なメニュー例
- 0~10分:軽い負荷でウォーミングアップ
- 10~40分:1分間の高負荷ペダリング+2分間の低負荷回復を10セット
- 40~60分:軽い負荷でクールダウン
HIITトレーニングは従来の持続的な有酸素運動と比較して、同じかそれ以上の健康効果を得られることが示されている。特に脂肪燃焼効果に加えて、運動後の代謝アップ効果(EPOC)が高く、忙しい方にも取り入れやすい。
高強度のインターバルトレーニングでは、ペダルの負荷を調整しながら、心拍数を最大心拍数の85~90%までしっかり上げることがポイントだ。その後の回復時間に心拍数を70%程度まで下げるというサイクルを繰り返すことで効率よく心肺機能を高められる。
ここに挙げている機種はHIITに使うには一番負荷を高くしても負荷が物足りないかもしれないが、負荷を最高にして根性で限界まで早くペダルを漕げばHIITも可能だ。
タバタトレーニング
最も効率的な心肺機能向上法として知られるタバタ式トレーニングもエアロバイクで実践できる。
- 0~10分:軽い負荷でウォーミングアップ
- 10~14分:タバタプロトコル(20秒間の全力ペダリング+10秒間の休息×8セット)
- 14~20分:軽い負荷で回復
- 20~24分:2回目のタバタプロトコル
- 24~60分:中~低負荷でのクールダウンとリカバリーライド
タバタトレーニングは立命館大学スポーツ健康科学部教授の田畑泉氏が考案したトレーニング方法で、Tabata Protocolという名称で世界的に広く知られている。
より詳しく知りたい方には、田畑先生が執筆した『タバタ式トレーニング 究極の科学的肉体改造メソッド』という書籍がおすすめだ。この本では正しい方法や理論、実験結果について詳細に解説されており、私も一度購入したが人に貸したまま帰ってこなくなり、後でKindle版を再度購入したほどだ。
トレーニングの効果としては、6週間続けることで酸素摂取量が12~13%向上し、最大酸素借が35%も向上するという実験結果が出ている。これは通常の有酸素運動では得られない無酸素運動能力の向上効果だ。
初めてタバタトレーニングをやったときはホント死ぬかと思った。1セット目は余裕だが、2セット目から疲労困憊になる。全力でこいだら心拍数が190以上まで達し、口から胃袋が出るっていう感じがした。もっとくわしく知りたい方は「タバタ式トレーニングの効用・方法、そして効率的にするための機材」も見て欲しい。
効果的なトレーニングには心拍計測が重要
エアロバイクトレーニングで最大の効果を得るためには、適切な運動強度を維持することが重要だ。その指標として最も信頼できるのが心拍数である。
実は多くのエアロバイクに付属している心拍計は精度が微妙で、特にHIITやタバタトレーニングなど高強度のトレーニングでは追従性の問題がある。そのため、別途心拍計を購入することを強くお勧めする。
アップルウォッチなどのスマートウォッチを持っている方はそれで十分だが、より正確な測定を求めるなら、以下のようなチェストベルト式の心拍計がベストだ。
EZONのスポーツウォッチは3,500円程度とコストパフォーマンスに優れ、プロアスリート御用達のGarminと比較しても精度に遜色がない。実際に検証した結果、高い精度と追従性を持っていることが確認できた。また、胸のベルトで測る方式は腕時計型より正確で、特に高強度のトレーニングでの追従性に優れている。
重要なのは、自分のトレーニングゾーンを知り、目的に合わせた心拍数を維持することだ。ダイエットであれば最大心拍数の40~70%、有酸素能力向上なら70~80%、無酸素能力強化なら80~90%が目安となる。
気になる方はこの記事もおすすめである。


結論:最適な60分以上使用可能なエアロバイクを
最後に、エアロバイクの効果を最大化するポイントは「継続」に尽きる。買ったのに使わなくなってしまっては意味がない。
自分のライフスタイルに合った機種を選び、「テレビを見る時間=エアロバイクに乗る時間」など、日常の習慣に組み込むことで無理なく継続できるだろう。適切な機種選びと継続のコツを押さえて、健康的な毎日を手に入れてほしい。
我が家でも毎日エアロバイクを利用しているが、継続することで体調の良さを実感している。本記事で紹介した6機種のなかから、ライフスタイルに合った一台を見つけていただければ幸いである。
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