DTスイス(DT SWISS) RR1450 TRICON 安価なチューブレス対応軽量アルミホイールを買ってみた

ロードバイクを買うと大体みんな1年ぐらいで、完成車に最初からついているホイールを卒業したくなるようである。
で、まあ、上を見ればきりがないし、なまじ安物を買うと完成車のホイールと大して変わらず、また買いなおす羽目になるというケースが多いらしく・・・。もう毎日ネットでホイールを調べまくっている生活であった。

迷いに迷ったあげくこれを買ったのである。
私のロードバイクの用途としては、

80%:3本ローラーw
10%:山
10%:それ以外

という感じである。だから完成車についているSHIMANO(シマノ) WH-RS010-PCB 前後ホイール 11S対応

これでいいではないか?っていうか、これがベストチョイスではないかという気がする。強いて買わなくてもいいだろうって思うのだが、やっぱりそこは人間である。欲ってものだな。
私はロードバイクに乗るまでは全然物欲がない人間だったのだが、ロードバイクに乗るようになってからはもう、本当に大変である。

ホイールを変えるよりもエンジンを鍛える方がはるかにタイムに貢献するってことは知っていたので、まずは普通のヒルクライマーぐらいには登れるようになってから、その後ホイールに手を出すべきだと言い聞かせていたのだが、やっぱり欲しくなると欲しくなるのである。

考えていた候補としては、ド定番のカンパニョーロのゾンダか、これまたヒルクライマーの定番シマノのWH-9000-C24-CL、あるいはWH-RS81-C24、まあこの辺を買おうかと思っていたのである。
ゾンダは一番コストパフォーマンスがよさそうだったが、
最もエロくて、中二病っぽいロードバイク用ホイールとは何か
これを読んでこれは自分には合わないなって思ったのである(ちなみにこのリンク先の記事はめっちゃ面白い。私がはまっているロードバイクのブログである)。何で合わないかと思ったかといえば、色が似合わないってことと、ラチェット音が大きいことであった。

WH-9000-C24-CLはいいのであるが、さすがにデュラエース、お高い。しかも私みたいな貧脚が履くとみっともない。「デュラエースなのに何でそんなに遅いんだよ」って思われそうで嫌だったのである。デュラエースのステッカーがはがせて無印にできるのだったらまだいいのだが。
WH-RS81-C24はコストパフォーマンスが良さそうだが、これを買ったらあとで「WH-9000-C24-CL欲しい」ってなりそうだし。

それにしても、何なんだろうなぁシマノのホイールのラインナップは。デュラエースの下がアルテグラではなくって、WH-RS81って意味が分かんない。
ついでに言うと釣りのリールにもアルテグラってブランドを冠している商品があって、でもデュラエースはなくって、105もソラもなくって、なぜかティアグラはあるっていうこの謎。考えれば考えるほどわけがわかめ。

SHIMANO(シマノ) リール 12 アルテグラ C3000SDH 29355これがアルテグラの中で売っている一番高いグレード。ちなみに定価18,400円

SHIMANO(シマノ) リール ティアグラ 130A 20376これがティアグラの中で売っている一番高いグレード。ちなみに定価153,000円

ティアグラの方が一ケタ高い!っていう衝撃の事実に腰を抜かしそうであった(嘘)。どうやら釣りの世界には自転車とは違うヒエラルキーがあるようだ。

脱線が長くなった。

で、私はWH-RS81ぐらいの値段で、WH-9000ぐらい軽いホイールがあればそれがいいと思ったのである(誰だって安いほうがいいにきまっているわな)。中華ホイールとか含めてよさげなものを探すことにしたわけだ。

私は基本的にちょっとひねくれているというか、他人が買わないようなものを買うのが好きっていうのもある。

まずはスペック

  1. 名称
    DT SWISS RR1450 TRICON ROAD WHEEL
  2. リムハイト
    フロント21mm、リヤ21mm
  3. スポーク
    ステンレスオーバル
  4. スポーク数
    フロント18本、リヤ24本
  5. フリーボディ
    シマノ9・10S用、カンパニョーロ9・10・11S用
  6. 重量
    フロント650g、リヤ800g(シマノ)、810g(カンパ)

定価

168,000円(前後セット)

実売価格

楽天では88,000円という販売価格。
この金額であれば

しかし、自分はこんな値段では買っていない。ヤフオクで新品を買ったのである。

他社のホイールであればどのクラスに相当するか

チューブレス対応で1450gという重量はアルミホイールでは最軽量の部類になるだろう。
チューブレス対応の他社の製品と比較してみよう。

メーカー名称・型番重量材質定価最安値リム高
SHIMANODURA-ACE WH-9000-C24-TL1,464A/C120,069円103,291 円F24mm
R24mm
CAMPAGNOLOSHAMAL ULTRA 2-WAY FIT1440A179,280円121,651円F26mm
R30mm
EASTONEA90SLX1440A ?108,000円F25mm
R25mm

このあたりが対抗馬なのだろうか。
でも、重量ではほぼ一緒ではあるが、リム高が低いので同一のレベルで比べるのはちょっと無理がある。SHAMAL ULTRA 2-WAY FITはさすがというかリム高がこれだけあってこの重量に収まっているのは素晴らしい。さすがカンパニョーロである(お値段も高いですが)。個人的にはデザインが地味なシマノが好きなんですけど・・・。

まあ、だいたいこのクラスって感じである。

実測してみた

DTスイス RR1450 TRICON リヤのみ重量848G

まずリア。デジタルでないのが残念なところだが848g(だと思う)。

DTスイス RR1450 TRICON フロントのみ重量658G

つぎにフロント。658g
合計重量、

1506gであった

うわあああああ、超テンションダウンである。
1.5kgを超えてしまったので割と普通っぽい重量である。軽量ホイールって期待していたのでメチャメチャ裏切られた気分だ。これならみんな使っている、ハイコストパフォーマンスモデルホイールの没個性なゾンダとあんまり変わらないのでは・・・。

でも、これは仕方がないことのようである。フリーボディを今回の注文に際してシマノの11速対応に変えてもらったのだが、これが重いのだ。

シマノ11速対応フリーボディ

ようはスプロケットがはまる部分のこと。
ゾンダのメーカー公称値は1550gであるが同じフリーボディをかましてやると、1630グラムぐらいになるらしい。まあ、これなら納得である。

ってなところで、次、

チューブレス対応なのでついでにタイヤも変えてみた

クリンチャーとしても使えるのだが、せっかくなのでチューブレスタイヤを履いてみることにした。

IRC Formula PRO TUBELESS RBCC 700×23c ブラック
これである。これは1本7千円以上と高かったのだが、日本のナショナルチームの帯同メカニックの中村氏からおすすめされたのである。

ちなみにシクロワイアードでも「DTスイス RR1450 TRICON 「普通さ」が信条の軽量チューブレスホイール」という詳細なレビュー記事があり、この記事でも同じタイヤであった。さすがプロのチョイスって感じ。

「これはですね、走っているとポロポロポロポロおがくずみたいなものが出てくるんです。摩耗してもそれが地面を捉えてグリップ力を発揮するんですね。」

と言っていた。
へーーー、そうなんだぁ。って私はこのHi-bikeの中村氏に心服しているので、そのまま買ったのである。商売人っていうより、自転車が大好きでメカニックになった人が、そのまま店長になったという風情で、笑顔が素敵で最高なのである。生まれ変われるならああなりたいものだ。

それはともかく、後日、製造元の井上ゴム工業株式会社のWebサイトを調べてみた。

ライス・ブラン・セラミックス・コンパウンド

米ヌカから作られる硬質多孔性炭素素材『RBセラミック粒子』をトレッドゴムに配合する技術。RBセラミック粒子は200〜300μmと非常に小さく硬質のため「マイクロスパイク効果」を発揮。多孔体ゆえ「吸水効果」に優れ、ウェット路面でも高いグリップ力をキープ。また、タイヤの摩耗が進行してもRBセラミック粒子が次々とトレッド表面に現れ、さらには抜け落ちた跡も「マイクロエッジ効果」を発揮する。ドライからウェットまで、あらゆる路面状況でもハイグリップを保ち続けるIRCの新技術。

おがくずじゃないが、真面目に米だった。

ちなみに
「パンク修理はどうするんですか?」
と聞いてみたら、
「クリンチャーと一緒ですね。」
とのこと。だったらイケそうである。

ついでに山仕様にリアのスプロケットを32Tにしてみた

今まで11~28Tだったリアのスプロケットを11~32Tにすることにした。
このホイールは山に登る時しか使わないから、いちいちスプロケットを付け替えるのは面倒なので、スプロケットをもう1セット買って取り付けてもらうことにしたのだ。どうせ、山でしか使わないから32Tがよかろうって思ったのだ。

でも、32Tにすると今までのディレーラーでは引っ張れなくなるので、リアディレーラーをロングアーチのタイプに交換する必要があった。とんだ散財だが、ええい、ついでだ、やってしまえ!完全にイカれてしまっているのである。

「32Tって、乙女ギアとか言われますよねかっこ悪いですかね・・・」

と中村氏に聞いてみたら、

「私はいいと思いますよ。お客さんにも勧めてますし。ツールドフランスでも32Tを使っている選手もいますしね。32Tを使うためにアルテグラにグレードを下げるんですが、それだけの価値があるってことですね。」

と言っていた。素晴らしい。ビバ、散財!

左右のテンションが狂っているが調整ができない

中村店長曰く。

「このホイールですが、私の記憶ではもう5年ぐらい前のものですね。
(調べてみたところ正解!)
左右のテンションが合わなくなっているんですよね。で、調整するにもニップル回しが必要なんですが、これは専用のニップル回しが必要なので調整ができないんですよ。」

なぬぅ、そういう落とし穴があったとは・・・。

それでもとりあえず自転車を預けて、ディレーラーの交換、スプロケットの取り付け、タイヤの取り付けを行ってもらった。
結構大工事らしくて簡単にはいかない内容であるらしい。

「ほとんどオーバーホールですね」

と言っていた。

さて、1週間後もどってきた私の自転車。

フォンドリエストにDT1450をはかせた図

もうちょっとマシな写真ないんかいって感じであるが、

「似合わねえ」

っていう感じである。この赤のアクセントが何とも似合わないのである。地味なデザインとレビューに書かれていたからそのあたりがこのホイールを気にいったポイントであったのだが、結構目立つわ。

とりあえずその足でいつも登っている筑波山にある不動峠に行ってみた。

うかつなことにサイコンのマグネットを忘れてしまい、速度が測れないという状況。
まあ、いいだろう・・・。と思ったのだが、後で思えばよくなかった。

とりあえずファーストインプレッション

今まで履いていたシマノのWH-RS010が1890gなので、384gの軽量化、そしてチューブレスなのでさらに150gぐらい軽くなって合計0.5kgぐらい軽くなったはずだ。これがどう乗り心地に影響するのか?

自分はこのホイール以外に乗ったことがないので、どう思うかって自分でも興味津々であった。

実は前述のレビュー記事にはこう書いてあった。

全体にこれといった特徴がなく、ちょっと乗った感じでは通常のタンジェント組のホイールとなんら変わる部分がないように感じるホイールである。しかし、その特徴のなさこそが、このホイールの最大の魅力とも言える。ライディング中にホイールに気を奪われることなく、ガンガン乗ることに集中できる。これは当たり前のようでとても大事なことだと思う。まさに「羊の皮をかぶったオオカミ」的ホイールだ。

だそうである。
で、自分の乗ったファーストインプレッションでは、

「ん?何か軽いな、でもなんかふつーーー。」

って感じであった。ものすごく普通って印象である。まさしく普通に漕いだら、普通に回るっていう感じ。それ以上でもそれ以下でもない。

特に良いのが踏み出しの軽さと上りの軽快さだ。軽量なリムと軽量なチューブレスタイヤの相乗効果により、何のよどみもなくスピードに乗り、羽根が生えたかのごとく飛ぶように上ってくれるのである。

峠に期待しようってことで、山に登る。

むむむ、すごく軽くて楽だ。2枚重いギアと同じぐらいだ。
息があんまり上がらない。うわ、これ楽・・・。

って思ったのだが、考えてもみれば32Tのスプロケットをはめているから、そもそも1枚分はスプロケットで違うのである。
で、最後の急坂以外は楽勝に登れて、さてタイムは・・・

この間と全く一緒orz

なんじゃそれ・・・。
32Tにして、軽量ホイール、軽量チューブレスタイヤというヒルクライム最強装備(自分の経済力の範囲でね)をまとって、結局同タイム。
まあ、ロードバイクは機材ではなくってあくまでエンジンと根性が重要だということを身に染みて理解した一瞬であった。

後で思えばサイコンが動かなかったので、時速を計っていなかったのが多分駄目だったのだと思う。
割と早いケイデンスでクルクルクルクルスムーズに回していたので、スイスイ登れるような錯覚に陥っていたように思う。

ちなみに下りはすごく楽だった。

私は登りはすごく遅いのだが、下りはそれにさらに輪をかけて遅いのである。
しかし、安定感があり下りはすごく楽だった。
いつも不動峠に行くと、1本登って帰ってくると体力的にはまだ登れても、下りの恐怖がもう嫌で2本目行こうなんてとても思えないのであった。ちなみブレーキをかけるので手にマメができることもしばしば。でも、

「これだったらもう一本行ってもいいや」

と思えたのである。これはメチャメチャ大きかったかもしれない。でもこの日はもう日が暮れかけていたので、残念ながら1本で終わりにしたのだった。

そしてニップル回し

Amazonには当然売ってない。
探しましたよ。

これだ。

DT Swiss用ニップル回し Park Tool Spoke Wrench SW-5

ebayにはあった。$7.49なり。送料が$6.44。
価格と送料が同じぐらいである。高くつくなあって感じだが、仕方があるまい。ビバ散財orz

これで、スポークのテンション調整をしてもらったら、またこの話題については書くかと思いまする。
では今宵はここまでに致しとうございます。

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