最安値スマートローラーELITE QUBO DIGITAL SMART B+は使えるか?

スマートローラーとは何か?

私は自転車の室内乗用器具をたくさん所有している。
3本ローラー2台・固定ローラー2台・スピンバイク2台である。

この中でも3本ローラーこそ至高と思っていたのだが、ZWIFTをやるようになって状況が変わったのである。

ZWIFTとは一言でいうと(詳しくはこちらをご覧ください)、バーチャルなサイクリング競技が楽しめるアプリである。
自分でペダルを回したパワーに応じて画面の中の自分のロードバイクが走っていき、他の人々と抜きつ抜かれつするさまを楽しむゲームだ。

ZWIFTでは3本ローラーは正確なパワー計測ができないため非推奨となっている。
推奨されているローラー台のほとんどが固定ローラーであり、その中でも人気があるのはスマートローラーというものだ。

スマートローラーとはパワーメーターが内蔵されているローラー台で、かつ負荷をパソコンやスマホでコントロールすることができるものだ(一部例外はあるが)。
「スマート」という言葉は賢いという意味だが、コンピューターと接続して様々なことができるような機器を「スマートほにゃらら」という。ローラー台のスマート版がスマートローラーであるわけだ。

ゲームなどでは坂の傾斜に応じて負荷が変わるのである。家に居ながらにしてヒルクライムの苦しさが味わえるという自転車廃人が狂喜する(?)アイテムである。

実は3本ローラーのELITE ARIONデジタル スマートB+ というスマートローラーもあるのだが、お値段7万円以上もする。

お値段が高いだけでなく折りたたむこともできないようなので、トレーニングしないときの置き場所にも困りそうである。
というわけでスマートローラーとなると、ほぼ固定ローラーしか選択肢がないというのが現実である。

QUBO DIGITAL SMART B+とは

ELITE社の固定ローラーのスマートローラーである。

高い機種とどこが違うのか

この機種は坂の斜度が6%までしか負荷を重くできないというところが欠点である。
激坂と言える坂だと斜度15%といった坂も存在する。

そのような激坂は再現できないわけだ。

6%程度の斜度の重さであれば、インナーに入れれば重くならずに普通にシャカシャカこぐことができる。
というわけで、

「インナーローに入れているのに、ペダルが重くて登れない・・・」

といった状況は再現できない。しかし、この欠点は使い方でカバーすることができる。
アウター縛りとかにしておけば、十分に苦しみを味わうことができるはずである(これってマゾだよなぁw)

といったわけで安いものではあるのだが、問題はないと思うわけである

QUBO DIGITAL SMART B+の特徴

なんといっても安い

普通のローラー台とそれほど変わらない価格である。
スマートローラーではない固定ローラーを買うのであれば、絶対これを買った方がいい。

ZWIFTでの動作確認済み

ZWIFT推奨である。
実に簡単につながってプレイすることができる。

ANT+のドングルが必要になるが、これをUSBにつないでやれば普通に認識する。
これは何かというと、ANT+というワイヤレス通信の機器をパソコンにつなぐための受信機のことである。

私が使っているのはこれ。ドライバーのインストールといった作業は一切不要だ。本当にただつなぐだけ。

組み立て・セッティングが簡単

組み立ては5分で終わる。
ねじを2本締めればおしまいである。

説明書は意味不明でよくわからないのだが、何となく取り付ければそれで終わりである。

また毎回自転車をセッティングするのが簡単だ。
固定ローラーは自転車を取り付けるのがちょっと面倒だったりするのだが、一瞬で取り付けができる。

押し付ける圧力といった調整がいらないのも実にポイント高い。
自転車の重量で自然に下に押し当てられるようになっており、圧力調整が全く不要なつくりである。

本当に素晴らしい!のである。

タイヤの摩耗が少ない

固定ローラーの大きな欠点としてタイヤが摩耗することが挙げられている。

私がもう一つ持っている某社の固定ローラーは少し走っただけで、タイヤが削れて消しゴムのカスみたいなものが発生してしまう。
ローラー台専用タイヤが欲しくなる感じである。

しかし、QUBO DIGITAL SMART B+はこれが実に少ないのである。これだったら普通のタイヤで大丈夫である。
この点はめちゃめちゃポイント高いと思う。

フレームへのダメージが少ない(らしい)

固定ローラーはがっちりと自転車を固定するため、フレームがゆがんだりするという欠点があるようだ。

ところが、QUBO DIGITAL SMART B+は自重で自然にローラーに接地する仕組みになっている。固定されない造りなのである。というわけでフレームへのダメージが少ないのがセールスポイントでもある。これもとてもとてもポイント高い。

ZWIFTに使ってみた

このために買ったといって差し支えないぐらいである。

接続はそのものは簡単だったが、プツプツ切れるという現象が多発した。
これはパソコンとANT+のドングルの距離が遠くなると発生する現象のようだ。

そこでこのようなUSBケーブルの延長を用意した。
パソコンにこのようなUSBの延長ケーブルを刺し、延長ケーブルの先にANT+のドングルを刺してこれをQUBO DIGITAL SMART Bのすぐ近くに置く。これ以降、全く接続が途切れるという現象は発生しなくなったのである。

FTP測定やってみた

そして一番最初にやってみたこと、それはFTPの測定である。

ZWIFTは他の人と競い合ったり一緒に走るという楽しみ方が一般的であろうが、ZWIFT Workoutというトレーニングメニューが用意されている。
パワーメータを使ったトレーニングというものは、専門知識が必要で素人にはなかなか難しいものだ。しかし、このZWIFT Workoutは専門家が用意したメニューをセッティングしており、これに従って頑張るだけで競技力が延びるという素晴らしいメニューである。

そのなかにFTP(機能的作業閾値パワー:FUNCTIONAL THRESHOLD POWER)の測定がある。

FTPとはまあこのページを読んでいる人には言うまでもないことであろうが、1時間連続して走り続けられる限界の平均パワーのことである。
競技力の客観的な指標となるものだ。これを高めることこそが自転車の室内トレーニングの目標である。

しかし、1時間連続して限界まで追い込んで走ることはとても厳しい。
一般的には最初に5分間全力疾走させて疲労させたあとで、ある程度回復させて20分間かけて測定するという方法が取られることが多い。
この方法は比較的楽ではあるものの、強度や時間の管理がやや面倒である。そして、20分間の平均パワーに対して少しマイナスの補正を加える必要がある。普通はパワーメーターの他にGARMINといった高性能なサイクルコンピューターも必要になる。

といったわけでちょっと計算もめんどうだし機材にお金もかかる。
ところがZWIFTのFTP測定のメニューを使えばこれが簡単にできるのである(簡単ではあるが、疲れることは一緒w)。

QUBO DIGITAL SMART B+を買い、ZWIFTを導入すればそれだけでFTP測定ができるわけだ。
実に簡便である。

1年半前ぐらいにはフィットネスクラブに通っており、そこにあったステーショナリーバイクを使ってパワー測定をしていた。
当時140Wぐらいの出力を出すともう疲れてしまうので、幼児用自転車並みのパワーしか出ていないという状況であった。

さて、やってみたらどうだったか。

FTPは224Wだった。この数字を見て驚いた。
これだったら素人ライダーとしては中の上といったところだろう。
タバタトレーニングを1年やったからといってそんなに伸びるの?って感じである。

どうやらスマートローラーを使うと出力は高めに出ることは多いらしい。10%ぐらい割り引いて考えたほうがよいともいわれている。
10%割り引いても200W以上出ているようではあるので、満足な結果ではあった。

ちなみに20分間の全力疾走はめちゃめちゃ疲れる。
1ヶ月に1回ぐらいFTP測定しようと思っていたが、もう二度とやらないかもしれないw

ZWIFTを普通にプレイすると

これが滅茶苦茶楽しい!最高である。
スマートローラーはパワーメーターに比べて10%程度、出力が高めで出るといわれているとはいえ、多くの人がスマートローラーで走っている。
ほとんど状況は一緒の状況でフェアに走ることができる。

パワーメーターは非常に高価なアイテムなので、この安価なQUBO DIGITAL SMART B+でZWIFTが思う存分楽しめるのは最高だ。

QUBO DIGITAL SMART B+に限らず、ZWIFTに出力の反映が数秒遅れる欠点はある。300メートルのタイムを計るような区間賞を戦う場合は、スタートダッシュが遅れて不利になることがある。まあ、それくらいは目をつぶろう。スタート地点にUターンして再チャレンジすればいいだけのことである。

5分以上かかるような区間賞の場合はこの不利はそれほど大きくない。

QUBO DIGITAL SMART B+を使い始めてからというもの、区間賞のチャレンジが非常に楽しい。
1位でゴールしてあの赤の水玉模様のジャージをゲットした時の喜びはひとしおである。

ZWIFTの区間賞のジャージ

GARMINとつないでみる

Garmin EDGE 520Jとつないでみた。
いともあっさりと認識して、拍子抜けするほどだった。

GARMINでパワーが測れるのである。当たり前であるがとっても感動だ。
今までGARMINを持っていたにもかかわらずパワーが測れなかったのが非常に残念だったのだが、ほぼすべての機能が使えるようになったわけである。

VO2MAXが測れたのがとてもうれしい。

vo2max

ちなみに測定結果。
私のVO2MAXは58ml/kgだった。

VO2MAXの目安

これはGARMIN社が公開しているVO2MAXの目安のデータである。
私は40代なのであるが、測定数値が正確ならば「極めて優秀」という数値である。

本当だろうか?タバタトレーニング頑張ってたしなあってちょっと喜ぶ。

追伸:筑波秋の8耐に出場したのだが、実にヘロヘロなタイムであった。この数字はあてにしないほうがよいのかもしれない。
パワーメーターをついに購入したので、パワーメーターの数字と比べてみることにするのである。近日公開予定である。

酸素摂取量と出力は正確な比例関係にあるので、パワーメーターであれば正確に測ることができる。その数字と見比べてみるつもりなのである。

最後に

QUBO DIGITAL SMART B+は本当に最高である。

もっと早く買っていればもっともっと自転車を楽しめたはずだった。今までこれを知らなかった時間がもったいなかった。
今すぐ買え!である。

ローラー台については他にも色々書いているので参考になるかも知れない

ローラー台の楽しみ方・選び方

コメント

  1. toshi より:

    はじめまして
    toshiといいます

    私も三本ローラーでZwiftやってますが、振動と騒音の問題から固定ローラーを検討してます。
    エリートの使用感にかなり惹かれてますが、騒音や振動は他のホームトレーナーと比べて如何でしょうか?
    私の中で清水の舞台の淵に居る感じなので、最後の一押しに宜しくお願いしますm(__)m

    • chari より:

      コメントありがとうございます。ブログ少し拝見しましたが、剛脚っぽくってうらやましいです(笑

      QUBO DIGITAL SMART B+はめっちゃうるさいです。
      三本ローラーとあまり変わらないレベルだと思っていただければと思います。若干ましって程度かと。おそらくは負荷発生の装置がうるさいのではないかと推測します。
      振動は三本ローラーに比べればはるかにましです。
      使用感は実走感はないものの、悪くはないです。っていうか結構好きですね。

      清水の舞台から飛び降りる決心がつかなくなって恐縮ですがそんな感じです。
      また何か質問があったらコメントくださいませ。

  2. toshi より:

    早速のコメント、ありがとうございます
    かなりウルサいレベルなんですね。タイヤやマットでどれだけ吸収出来るやら?
    先日ショップに足を運んだら今週展示会が開かれたばかりだったようで、今週中に注文すれば…と魔法を浴びましたが、肝心のブツが無いようで、清水の舞台から墜ちませんでした(笑)
    そんな訳でエリートのローラーを第一候補としつつも、もう少し検討してみたいと思います

    • chari より:

      まあ、3本ローラーをやれる環境があるのであれば買ってもいいのではないかと思います。
      結構いいもので、かなり楽しいことは間違いありません。

  3. 赤タイム より:

    今頃書き込みしても遅いかもしれませんが・・・

    私、パイオニアのペダリングモニターとQUBOを同時に使用しておりますが、正直QUBOのほうがかなり甘いです。毎回コンスタントに30〜50%多めのワットを表示します。ですので、表示の三分の二くらいが実ワットだと考えて差し支えないと思います。

ブログ村自転車用品ブログ